Yahooは米国時間3日に、ライバルのGoogleに対する立場を強化するための動きとして、小規模なウェブサイトを対象にした広告ネットワークを立ち上げる。この計画に詳しい情報筋がCNET News.comに語った。
既報の通り、Yahooは数カ月前から、ブロガーや他の小さなウェブサイトの運営者用に考えたセルフサービス方式の広告サービスを開発していた。この動きはGoogleの得意分野に的を絞ったものだ。
YahooとGoogleは、America Onlineなどの主要な検索広告パートナーをめぐって、すでに真正面からぶつかり合っている。ただし、テキスト専用広告をブログなどの小規模なサイトに配信するのは、Googleの代表的なサービスで、これについては同社がほぼ独占状態にある。
だが、Yahooがこの分野で広告配信先の獲得に乗り出すことで、同社は最も成長率の高いオンラインメディアであるブログでの広告掲示に関するGoogleの価格決定力に挑戦することになる。Googleのサービスと同様、Yahooのセルフサービス製品も、特定のウェブページの内容と関連するテキスト広告を表示する。広告主は、読者が自社の広告をクリックしたときだけ対価を支払い、Yahooはそれをサイト側と折半する仕組みになる。
このサービスが、ウェブ検索の独占を目指すYahoo対Googleのライバル関係を激化させることは間違いない。また、これによってYahooは中小規模のサイトにも広告配信先を拡大できるようになる。
今年に入ってこの分野へ進出するための下準備を進めていたYahooは、ウェブページのテキストを分析し、その内容に応じて検索結果を表示する「Y!Q」というコードをリリースした。各サイトは、ウェブページにこのコードを追加することで、関連リンクの一覧を自動生成できるようになる。
このニッチ市場でGoogleがこれまで行ってきた取り組みを考えると、小規模なサイトへの広告配信は将来成長が見込める有望な道筋といえる。
Googleは2003年6月、「AdSense」と呼ばれる大手サイト向けの広告サービスを拡張し、小規模サイトに対象を絞ったセルフサービス型の自動広告配信サービスを追加した。自社サイト上に掲示する検索関連広告とは異なり、AdSenseでは各サイトのページの内容やその意味に関係のある広告を配信する。たとえば、サッカーの試合に関するニュース記事には、サッカー用品の広告リンクが表示される。
Googleは、AdSenseの売上明細を公表しておらず、これをシンジケーション型検索の売上高も含む広いカテゴリーに組み入れている。同社の2005年第2四半期の売上高は13億8000万ドルだったが、これらのビジネスからの売上は合計で6億3000万ドルと、全体の46%を占めている。
Yahooは、小規模なウェブサイトに広告を配信することで、自社の検索エンジンや大規模なウェブサイトが中心となっている現在の広告ポートフォリオを拡大することになる。
なお、Yahooの新サービスは、各ページのコンテンツに合わせた広告を選ぶ作業に人間の編集機能を加える点で、すべてを技術に頼っているGoogleとは異なるものになるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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