ヤフーが、携帯電話向け有料コンテンツの料金回収代行事業に参入することが7月28日明らかになった。今秋をめどに数十社との提携の下、占いや画像、ゲーム、電子書籍など、約250程度のコンテンツを用意してサービスを開始する。
ヤフーでは、すでに携帯電話向けの「Yahoo!モバイル」にて有料コンテンツを提供しており、同社の課金サービスプラットフォームとなる「Yahoo!ウォレット」で代金を回収している。新たにはじめる料金回収代行事業では、コンテンツの提供はあくまでもコンテンツプロバイダが主体となって行い、ヤフーでは課金プラットフォームの仕組みを提供することになる。このプラットフォームを利用して、多くのコンテンツプロバイダが有料コンテンツを提供しやすい環境を整える。
ヤフーの既存ユーザーであれば、すでに利用している「Yahoo! ID」を使ってコンテンツの利用が可能だ。決済はYahoo!ウォレットに登録しているクレジットカードなどから引き落とされる。
これまで携帯電話における有料コンテンツの料金は、携帯電話キャリアが中心となって回収していた。ヤフーが新たな課金プラットフォームを提供することで、有料コンテンツの流通チャネルが広がり、「デジタルコンテンツの利用がより活性化するだろう」とヤフーでは見ている。
また、番号ポータビリティが導入され、ユーザーがキャリアの乗り換えに踏み切った場合、現状の課金システムではキャリアの変更と共にコンテンツプロバイダとの契約も更新しなくてはならないが、ヤフーの課金システムを使えばキャリアが変わってもユーザーは継続的にサービスを利用できる。サービスプロバイダにとっては、キャリアの乗り換えによるユーザーの解約を気にせずにサービスが提供できるわけだ。
現在ヤフーが同サービスに向けて交渉中のコンテンツプロバイダの中には、すでに携帯キャリアを通じてサービスを提供している企業が多いというが、中にはキャリアを通じたサービスでは提供していないコンテンツを提供する企業もあるという。また、キャリアが公式サイトとして認めていないコンテンツでも、「ヤフーにはヤフーのガイドラインがあるため、例えばキャリアではガイドライン上コミュニティサイトは公式サイトとして認めないとしているケースもあるが、ヤフーのガイドラインでは提供できる場合もある」(ヤフー広報部)としている。
ヤフーでは、「PCからでも携帯電話からでも同じIDで利用でき、双方からユーザーを呼び込めるのがヤフーの強み」としている。今後は、課金プラットフォーム事業者として「現状の携帯電話キャリアが契約しているコンテンツプロバイダと同等レベルの数の企業と契約したい」としている。
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