Yahooは、サードパーティーの開発者による同社サービス向けの新アプリケーション開発を加速させる動きのなかで、ウィジェットエンジンのKonfabulatorを獲得した。
Konfabulatorは、WindowsあるいはMacintosh上でウィジェットと呼ばれるサイズの非常に小さいアプリケーションを動かすJavaScriptのランタイムエンジンだ。Konfabulatorは、2003年に創設されたPixoriaという新興企業が保有している。
Yahooでは、KonfabulatorのウィジェットをXMLフィード経由で動かすことを計画している。Konfabulatorを利用したアプリケーションには、Wi-Fi信号の電波状態を知らせるものから各地の天気予報やバッテリーの残量を表示するものまで、さまざまな機能を持つものが考えられるという。
「最初にKonfabulatorを思いついたとき最も重視した機能の1つが、インターネットコンテンツへのアクセスだ。Yahooが何によって成り立っているか想像して頂きたい」とKonfabulatorのサイトには書かれている。「それよりも、本当に素晴らしいのは、YahooがXMLフィードという従来のブラウザの外側で使えるフォーマットで、これを一般に公開しようとしていることだ」(同サイト)
Konfabulatorによると、今回の買収によってYahooのDeveloper Networkが正式に立ち上がるという。
「YahooはDeveloper Networkを一気に軌道に乗せようとしており、いまのKonfabulatorコミュニティがYahooの開発者コミュニティの設立メンバーになる」(Konfabulatorのサイト)
Yahoo関係者によると、同社にはPixoria買収以前にも開発者ネットワークが存在していたが、今回の買収によって同社は開発者との関係を明確な形にするつもりだという。
Konfabulatorは、シングルユーザーライセンスで19ドル95セント、国際サイトライセンスで2500ドルを徴収していたが、今後は無償となり、バージョン2.0以降については購入代金を返金するという。
Yahooによる買収の背景には、同社が社外の開発者に自社コンテンツ用のアプリケーションをもっと開発してもらい、最大のライバルであるGoogleにプレッシャーをかけるための方法を模索しているとの事情がある。たとえば、両社は今年夏に、それぞれのマッピングサービス用コードをサードパーティーの開発者に公開し始めた。
一方、ウィジェット用のダッシュボードを提供するApple Computerは昨年夏、そのコンセプトと使用方法をめぐって、Konfabulatorと激しい議論を戦わせていた。
Yahooの関係者によると、この買収は米国時間19日に完了したという。なお、金額面の条件は明らかにされていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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