フェンリルは、7月14日にタブブラウザ「Sleipnir2」のベータ版を公開する予定だ。
アルファ版は6月30日に公開されていたが、ベータ版ではこれまでにない新機能として自社開発のRSSリーダーを標準搭載するほか、ユーザーがブラウザのツールバーをカスタマイズできるようにするなど、多機能だったこれまでのSleipnirにより近づいてきた。また、携帯電話からPC用サイトが閲覧できるフルブラウザ「jigブラウザ」との連携も強化する。フェンリルでは、ベータ版のリリースから1カ月で100万件のダウンロード数を見込む。
Sleipnir 2は、Internet ExplorerコンポーネントとGeckoエンジンを切り替えられるハイブリッドエンジン利用のフリーウェアだ。Sleipnirは動作が高速でカスタマイズが容易なことから人気を集めている。Sleipnirバージョン1.66の累計ダウンロード数は約200万件という。
ベータ版ではまず、同社が開発したRSSリーダーが標準で搭載される。これまでのSleipnirでは、他者が開発したRSSリーダーのプラグインで利用できた。また、新たにブラウザのスタイルファイルが選べるようになる。これにより、プラグインやブラウザのデザインをユーザーが簡単にカスタマイズできる。標準ではSleipnirスタイルとIEスタイルなど数種類が用意されている。
jig.jpが提供するjigブラウザとの連携も強化する。アルファ版ではjigブラウザのお気に入りをSleipnir2にインポートできるだけだったが、ベータ版ではデータを同期させてお気に入りを相互に編集、管理できる。PCと携帯電話のブラウザ間でお気に入りのデータを相互に管理できるのは業界初となる。
フェンリルはSleipnir2ベータ版のリリースに伴い、エキサイトと提携する。ベータ版を起動すると、フェンリルとエキサイトが共同で立ち上げたサイトが表示される。ここではエキサイトの検索や翻訳、辞書などのツールや、エキサイトニュース、天気情報などが利用できる。
これを手始めに、フェンリルは「広告」と「検索バーやアドレスバーの枠の販売」の2つを収益源にしていく。社長の柏木泰幸氏は「ただし、ユーザーがブラウザを使う上で邪魔になるような広告は載せません。実際にはSleipnirのサイトに広告を掲載する形を採ると思います」と語っている(関連記事)。
さらにフェンリルでは、今後Sleipnir2正式版の開発に力を注ぐ。正式版ではjigブラウザとSleipnir2の間でRSSリーダーの情報も共有できる予定だ。また、Sleipnirバージョン1.66のお気に入りや設定なども引き継げるようにする。正式版は7月末から8月初頭の公開を目指す。
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