米連邦控訴裁判所は、アドウェアメーカーのWhenUが、ポップアップ広告を販売/配布する際に、オンライン・コンタクトレンズ販売会社1-800-Contactsの商標権を侵害したとする下級審判決を覆した。
米国第2巡回区連邦控訴裁判所が米国時間27日に下したこの判決は、WhenU が1-800-Contactsの商標によって誘発されるポップアップ広告を販売し、米商標法(Lanham Act)に違反したとして、WhenUによるそれらの広告の販売を制限した地裁判決を覆すものとなった。
「WhenUが同社の広告をユーザーのコンピュータに表示させるきっかけとなる用語の非公開ディレクトリに、1-800のウェブサイトのアドレスが含まれているからと言って、WhenUが、Lanham Actの意味の枠内で、1-800の商標を『使用』しているとはいえない」(同判決)
今回の判決は、WhenUにとって大きな勝利であると同時に、広告の販売手段として商標を利用している他の広告ソフトメーカーにとっても、1つの判断基準となるだろう。
また、この判決が利益率の高い検索広告市場にも影響を与える可能性がある。現在、同市場を支配しているGoogleも、WhenUと同様に、各社のマーケティング担当者に商標登録されたキーワードを入札させることで、テキスト広告を販売している。Googleも同社の宣伝手法に関連して、これまでに何度か提訴されたことがある。
法律の専門家らは、今回の判決について、突き詰めれば消費者の勝利にあたると述べている。
「(今回の判決で)裁判所は、商標権の所有者といえども、商標法を根拠に、消費者の選択--彼らが自分のデスクトップに何をならべるかや、情報検索にどんなツールを使うかといった選択には干渉できないことを明確にした」と語るのは、マーケット大学法学部助教授のEric Goldmanだ。同氏は電子フロンティア財団(EFF)と共同でWhenUを支持する意見書を作成した。
WhenUのCEO、Bill Dayはこの判決を称賛し、今後、広告主らの同社に対する信頼が向上するだろうと語った。「これまでは法的に多少明確性に欠ける点があったために、一部の広告主は(ポップアップ広告による宣伝を)ためらっていたが、今後はそのような広告主にも自信を持ってアプローチできる」(Day)
一方、1-800の法務担当者は同判決に関するコメントを控えた。
WhenUによると、同社が開発するソフトウェアは、推計1200万台のPC上に広告を表示させているという。それらのソフトは、スクリーンセーバーや、BearShare などのPtoPファイル共有アプリといった、無償でダウンロードできる人気の高いソフトウェアと一緒に配布されており、消費者がこれらを利用することにより、アドウェアメーカーとアプリメーカーの両者に利益が入る仕組みになっている。
これらのソフトウェアがインストールされると、たとえばWalmart.comのサイトにアクセスした際に、ライバルのTarget.comを宣伝するポップアップ広告が表示されるようになっている。
しかし、この宣伝手法は有名ブランドの知的財産権を食い物にしており、窃盗に当たるとして、一部の広告主から非難を浴びていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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