米国の人気歌手Michael Jacksonの運命を陪審員団が決するのに要した期間は7日間だった。だが、サイバースペース上でJacksonに対する無罪評決のニュースが配信されるまでには2分間もかからなかった。
Michael Jacksonが児童に対する性的虐待罪などに問われ、全世界の注目を集めた裁判で、陪審員団は、起訴された10件の罪状全てについて無罪の評決を下した。全ての主要なニュースサイトは間もなく評決が下るとの記事を掲載していたが、水面下ではそのニュースを他社に先駆けて伝える方法を見出そうと各社がしのぎを削った。
ニュースサイト各社は、今回の事件をニュースをいち早く伝えるための様々な方法を試す機会として利用した。例えばCNN.comは、評決に先駆けてスコアボードに似たページを掲載し、各陪審員の判断が読み上げられるたびに色分けされた「有罪」か「無罪」の文字が表示されるようにした。
(写真提供:Kevork Djansezian/AFP/Getty Images) |
しかし、最初に結果を報じたのはCNNのライバルであるMSNBC.comだったようだ。MSNBCは、サイト画面の上部に「児童に対するわいせつ罪に問われていたJackson被告に陪審が無罪評決」とのニュース速報を掲載した。
しかし、同じニュースサイトでも、自動化されたサイトが人間によって操作されているサイトに追いつくにはある程度の工夫が必要なようだ。それを示す一例として、Googleが提供する自動ニュース集約サービスのGoogle Newsでは、評決が下されてから数分間経過した後もそのニュースが大きく取り上げられなかった。
Google Newsでは大きなニュース2つをトップに掲載しているが、Jackson裁判の記事はトップ記事として掲載されなかった。この裁判については、同サイトの右側のエンターテインメントのカテゴリーで言及されており、評決が下されたことを報じるMTV onlineの記事にリンクされていた。しかし、Google Newsのヘッドラインは評決の結果について触れていなかった。
しかしその後、Google Newsは太平洋時間の午後3時までに無罪評決のニュースをトップニュースとして取り上げた。さらに、BBC、Times of London、Melbourne Herald Sunのウェブサイトでもこのニュースをトップニュースとして取り上げた。Wall Street Journalは、先に報じられたMorgan StanleyのCEO辞任のニュースに次ぐ2番目に大きいニュースとしてJackson裁判を取り上げた。
評決が下されたと伝えられただけで、ウェブ上の盛り上がりはすでに最高潮に達した。Drudge Reportサイトの上部では回転するサイレンのアニメ画像が表示され、評決が近付いた時にサイレンの数が2つに増えた。Fox Newsのウェブサイトでは「陪審、ついに評決を下す」との派手なバナーが表示された。CNNはウェブサイト上に、「裁判所の外で緊張しながら評決を待つJacksonファン」の見出しと共に、目を覆いながら評決を待つファンの写真を掲載した。
Yahooは、黒いSUVに乗ったJacksonが裁判所に到着して中に入っていく様子や、それをテレビカメラが追いかける様子を撮影した動画を配信した。MJJSource.comというJacksonのファンサイトにも、ついに無罪評決が下されたとの言葉が記載されていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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