米連邦捜査当局は米国時間25日、映画「スター・ウォーズ」の最新版など著作権で保護された音楽や映画を配布したことを理由に、ある人気ウェブサイトを閉鎖した。
国土安全保障省の複数の部門から集められた捜査官が、「Elite Torrents」というウェブサイトの運営に関わったとされる10人に対して、全米各地で家宅捜索を行い、このグループの動かすメインサーバを押収した。捜査当局は、今回の行動について、現在人気を集めるBitTorrentを使って違法なファイル交換を行った者に対する、初めての摘発事例になると述べている。
この日、Elite Torrentsのウェブサイトは、著作権侵害に関わる犯罪容疑でサイト運営者らが取り調べを受けていることを説明するメッセージが掲載されていた。
この捜査にあたった司法次官補代理のJohn Richterは、「われわれの目標は、ハイテク技術を使用した著作権侵害行為の犠牲者--それらの著作物を苦労してつくり出した人々が被る深刻な経済的被害を食い止めるためにも、このような違法サイトをできるだけ早期に閉鎖することだ」と声明のなかで述べている。「今日の一斉検挙は、オンライン上で著作物を盗用しているすべての人間に、新技術を使っても逃げ隠れできないという明確なメッセージを送ったと思う」(Richter)
連邦捜査当局はここ数カ月、オンラインでの著作権侵害行為を目的に組織化されたグループに対する捜査を強化している。これは映画およびレコード業界の各社が起こした民事訴訟と関連している。
今回の検挙は、EliteTorrents.orgで配布されたコンテンツの提供者と同サイトの管理者を対象とした「D-エリート」と呼ばれる作戦の一部となる。
捜査当局によると、映画「スター・ウォーズ エピソードIII: シスの復讐(原題:Star Wars Episode III: Revenge of the Sith)」は、劇場公開前から同サイトで配布可能になっており、1万回以上ダウンロードされたという。同サイトの会員数は13万3000人で、1万7000本以上の映画やソフトウェア、楽曲を配布していたと捜査当局では述べている。
「今回の行動は、インターネット上で映画を盗用する者には悪い知らせとなっただろうが、映画の素晴らしさを守ることにおいては朗報である」と、全米映画協会(MPAA)CEOのDan Glickmanは声明のなかで述べている。「Elite Torrentsのような違法ファイル交換ネットワークを封鎖することは、著作物の盗用を防止するというわれわれの戦いに欠かせない一部といえる」(Glickman)
捜査当局は、捜索が行われた場所については明らかにしていない。ただし、アリゾナ、カリフォルニア、イリノイ、カンザス、オハイオ、ペンシルバニア、テキサス、ヴァージニア、ウィスコンシンの各州検察当局の間で調整を行うことになるとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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