カカクコムは5月23日、不正アクセスが原因で一時閉鎖していた「価格.com」を5月24日午後に再開すると発表した。
価格.comのサービスの中でトラフィックの約8割を占めるサービスが再開される。再開されるカテゴリーは、「PC関連」「家電」「カメラ」「スポーツ・レジャー」「カー用品」「携帯電話本体」「ゲーム」「ブランド」「アキバ総研」「ローン比較」「新製品ニュース」「くちコミ掲示板」となっている(くちコミ掲示板については閲覧のみ再開)。保険やブロードバンドなどの一部サービスについては、「他社との協力の下で提供していたり、ユーザーが個人情報を入力する場合があったりするなど、セキュリティシステムの環境が異なるため、万全の体勢を整えた上で順次再開する」(同社)としている。再開時期や完全復旧の見込みについては、「確定次第発表する」と述べるにとどまっている。
10日間に渡る価格.comの閉鎖により「売上が約30%減少した」と言うのは、オンラインショップ「ECカレント」を運営するストリーム 専務取締役の作佐部光浩氏だ。この間、ほかの価格比較サイトからのアクセスは2倍強になったというが、同サイトへのアクセスの約半数を占めていた価格.comからのアクセスがまったくなくなったことで、売上の減少は避けられなかった。「特にPC本体など、高価な製品への影響が大きかった。高価な製品は顧客も慎重に選ぶため、買い控えにつながったのではないか」と作佐部氏は分析している。
カカクコムの登録ショップへの対応について作佐部氏は、「開示できる情報はすべてサイト上に掲載しており、ショップへの情報提供も同様のものだった」としている。また、補償等の話し合いは「現時点では行われていない」と言うが、作佐部氏としても「まずはサイトの復旧が一番重要だ」と述べた。
カカクコムでは同時に、不正アクセスによって一部のメールアドレスが閲覧された可能性があるとしていたが、この詳細についても発表した。
外部セキュリティ会社の追跡調査により、詐取されたメールアドレスは2万2511件にのぼることがわかった。カカクコムでは、メールアドレスが詐取された顧客に個別にメールにて連絡し、本人確認を行った上で対応するとしている。
なお同社では、「詐取された情報はメールアドレスのみで、ほかの個人情報は含まれていない」としている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス