米国企業の従業員はかなりの確率で監視されている。そして、社内のコンピュータや電話の使い方を理由に解雇される可能性もある・・・。
これは、American Management AssociationとePolicy Instituteが米国時間18日に公表した、企業による従業員監視の実態を調査した結果の要旨だ。
この調査結果によると、企業各社はますます「技術関連ポリシーを強化」しており、インターネットの悪用(25%)、電子メールの悪用(25%)、電話の悪用(6%)といった理由で従業員を解雇しているという。
ePolicy Institute事務局長のNancy Flynnは、「訴訟に対する懸念、そして電子的な証拠が訴訟や当局の調査で採用されることへの懸念から、ますます多くの企業が電子技術ポリシーを施行するようになった」と声明のなかで述べている。
企業各社は賠償責任や規制の問題から社員の監視に走っているのかもしれないが、このような監視行為はプライバシーに関する懸念を生み出している。最近では、キーロガーや携帯電話ユーザーの居場所を突き止めるGPSなどの新技術により、企業側がかなり細かく従業員を監視できるようになっている。
この調査は526社の米国企業を対象に行われた。そのうち、GPS技術を使って携帯電話を監視している企業は5%で、またGPSを使って社用車を監視している企業は8%だった。一方、約75%の企業が従業員によるウェブアクセスを監視しており、ソフトウェアを使って不適切なウェブサイトへの接続をブロックしている企業は65%に上った。
この調査によると、コンピュータの監視形態は多岐にわたっており、36%の企業では「コンテンツ、キーストローク、キーボード使用時間」を監視しているという。また50%の企業は社員のコンピュータファイルを保管/検閲しているという。
「企業は電子メールも監視しており、55%がメッセージを保管/検閲している」(同調査)
また、社員の通話時間と通話先を監視する事業主の割合は、2001年の9%から51%に跳ね上がったと、このレポートには記されている。
一方、窃盗や暴力、妨害行為を監視するためにビデオカメラ/モニターを導入している企業は全体の51%で、2001年の33%から増加している。また、「従業員の現場におけるパフォーマンスを記録に残すために、ビデオ監視装置を導入している企業の数も増えており、現在では10%の企業が一部の職種の従業員を対象にビデオで記録を残しており、6%の企業では全従業員を対象に同様の監視を行っている」(同レポート)
こうした監視行為を行っている企業のうち、(文書やメールの)コンテンツやキーストローク、キーボードの使用時間などを監視していることを従業員に知らせている企業は80%だった。また、82%の企業では、コンピュータのファイルを保管/閲覧していることを従業員に知らせており、電子メールの監視については知らせているのは86%、さらにウェブ閲覧の監視については89%となっている。またビデオ監視装置を利用している企業の85%が、そのことを従業員に知らせているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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