デジタル音楽配信サービス「Rhapsody」をリニューアルしたRealNetworksは、Apple Computerとの技術バトルに関する戦略も、ひそかに変更したようだ。
RealNetworksは2004年に「Harmony」という技術を発表した。これは、Appleの音楽ストア「iTunes Music Store(iTMS)」以外のオンラインストアで購入した、コピー保護のかかった楽曲をiPodで再生可能にするために開発された技術だ。RealNetworksはAppleの許可を得ずに、Apple独自のコピー防止技術を模倣してこの技術を開発した。
AppleはRealNetworksのこのような行為を「ハッカーのとる戦術」と呼び、数カ月後にiPod用のソフトウェアに修正を加えた。これにより、少なくとも「iPod Photo」に関しては、Harmonyとの互換性はなくなったはずだった。ところが米国時間26日、RealNetworksの幹部は、iPodのすべてのモデルとHarmonyとの互換性を再構築したと述べた。
「Harmonyは、現在販売されている全種類のiPodをサポートしている。iPod Photoも含めてだ」とRealNetworksの最高戦略責任者Richard Wolpertは述べた。
Appleとの争いは、RealNetworksにとって、自社が取り組んでいる音楽ビジネスの一角を占めるに過ぎない存在だ。しかし、これは、オンライン音楽ビジネスの世界で最も注目を集めている問題の1つでもある。
現在、主要なオンラインストアで購入した楽曲は、どの音楽プレイヤーでも再生できるという状況ではない。例えば、AppleのiPodはiTMSで購入した楽曲を再生することは可能だが、NapsterやMicrosoftの音楽ストアで購入した楽曲には対応していない。
レコード会社の幹部は、互換性のない複数の技術が乱立している状況に対して、批判的な態度をとっている。レコード会社らは、AppleのCEO、Steve JobsをはじめとするIT業界の幹部に対し、技術戦略を転換するように求めている。しかし現在のところ、IT業界には互換性の実現に向けて動き出す様子は見られない。
RealNetworksのHarmonyソフトウェアを利用すると、ユーザーは、同社のデジタル音楽配信サービスRhapsodyで購入した楽曲をiPodやMicrosoftの技術に対応したプレイヤーで再生することが可能になる。ただし、Harmonyを利用できるのは、RealNetworksのストアから曲単位で楽曲を購入した場合に限られる。Rhapsodyが新しく発表した、携帯プレイヤーへの転送が可能なサービスで提供される楽曲は、一部のWindows Media対応プレイヤーにしか対応していない。
この件に関して、Appleからはコメントを得られていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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