Microsoftが、「Internet Explorer(IE) 7」でグラフィックおよびスタイルシートの標準仕様をサポートする意向であることを明らかした。
米国時間22日、MicrosoftのIE開発チームのあるメンバーがブログに記したところによると、同社は、W3C(World Wide Web Consortium)が推奨する画像フォーマット「Portable Network Graphics(PNG)」と、ウェブページのスタイリングのための標準仕様「Cascading Style Sheet(CSS)」の主な要素をサポートする予定だという。
リードプログラムマネージャChris Wilsonは、PNG標準のサポートに関して、「ウェブデザイン界で高い評価を得ていると聞いている」と述べた。Wilsonはさらに、「CSSをサポートする目的の中でも最優先かつ最重要なのは、主な矛盾点を取り除き、ウェブ開発者が信頼性および一貫性の高い機能セットを利用できるようにすることだ」と話している。
MicrosoftやIEに批判的な人々はこれまで、IEの脆弱性により大きな関心を寄せることが多かった。しかし、ウェブ開発者にとっては、標準仕様のサポートが依然として大きな問題だった。
IEが標準仕様をサポートしていないため、開発者は、IE用と標準により準拠しているその他のブラウザ用と、コーディングを別々に行わなければならない。IEは、こうしたいくつかの点でMozilla Foundationのオープンソースブラウザ「Firefox」に劣っているにも関わらず、およそ90%ものマーケットシェアを獲得している。
3月にもMicrosoftがPNGとCSSのサポートに動き出しているという話が報道されたが、同社の関係者が開発者に対して、IEの次期バージョン--セキュリティに重点が置かれたバージョンだとされている--がPNGおよびCSSに対応すると公式に告げたのは、前述のWilsonのブログが初めてとなる。
標準仕様を支持し、Microsoftと競合する企業のある人物は、IE 7が標準仕様をサポートしていることを確かめるのが楽しみだと語った。
「ブログには、IEの複数のバグが修正されたと書いてあった。喜ばしいことだが、それだけでは足りない」と話すのは、Opera Softwareの最高技術責任者(CTO)で、CSSの共同提唱者Hakon Lieだ。「最大の疑問は、IE 7がAcid2テストをパスできるかどうかという点である。わたしはCNETに記事を寄稿し、IEがAcid2テストを受けることを提案したが、これはのちにWeb Standards Projectによって改めて公にされている」(Lie)
現在は「Rincon」というコードネームで呼ばれているIE 7には、ほかにもタブブラウジング機能やIDN(Internationalized Domain Names)対応といった改良が加えられているという。
開発者らは数年来、IEにおけるCSS対応の不備を不満に思ってきた。また、IEによるPNGファイルのレンダリングは「ひどい」と批判されてきた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス