IBMがFirefoxの開発に携わるプログラマを探している。同社のサーバソフトに同ブラウザを適応させるための開発要員ということだが、これはFirefoxが主流になったことを示す最新の例と言える。
IBMのウェブサイトに掲載された求人情報によると、同社ソフトウェアグループの先端技術部門は、「Mozilla Firefoxウェブブラウザに新機能を追加して、IBMのOn Demandミドルウェアスタックと連係させる」作業にあたるプログラマを募集しているという。
IBM関係者は米国時間13日、この求人情報が同社先端技術部門の1ポジションに関するものであることを認めた。この関係者によると、採用者はFirefoxプロジェクトに携わることになるという。
Firefox関連の開発作業は、IBMがこれまで進めてきた「Workplace」ソフトウェアの取り組みとぴったり合致する。Workplaceは、いくつかのPC用アプリケーションをサーバから提供し、ウェブブラウザ上で利用できるようにするもの。IBMは、LinuxコンピュータとWorkplaceサーバの連係を実現する目的で、1億ドルの資金を投入している。
Workplaceは、インスタントメッセージ、文書作成、表計算などの機能を提供するが、現在はMicrosoftのInternet Explorer(IE)かMozillaブラウザでしか、これらの機能を利用できない。
Mozillaプロジェクトから生まれたFirefoxは、ブラウザ市場でIEのシェアを奪いつつあるが、しかしIEは依然として圧倒的なシェアを誇っている。現在、Linuxのなかでも最も普及している「Red Hat Enterprise Linux」と「Suse Linux Enterprise Server」では、Firefoxがデフォルトのブラウザとなっている。
同日にごく短時間だけ掲載されたこの求人情報を見つけ、IBMがプログラマを募集していることを明らかにしたのは、RedMonkのアナリスト、James Governorだった。
この求人情報によると、同社が募集しているのは「Mozillaプロジェクトに参加し、開発者コミュニティに受け入れられている」人物で、なおかつFirefoxの「Gecko」レンダリング技術や、さまざまなコンピュータシステム上で稼働するソフトウェアを構築するための「XPCOM」技術の開発に関わった経験を持つプログラマだという。
昨年登場したFirefoxは急激に人気が高まっているが、それに伴って、同ブラウザの開発プロジェクトに携わるプログラマは雇用の機会も増加しているという。
Googleも、Mozilla Foundationのスタッフやボランティアを積極的に採用しており、独自のブラウザ開発に興味を示しているとの憶測が飛び交っている。同社は1月に、FirefoxのリードエンジニアBen Goodgerと、IBMに在籍しながらバックエンドインフラストラクチャの開発に携わっていたDarin Fisherを雇い入れた。さらに数週間前には、MozillaのエンジニアBrian Rynerも雇用している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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