iTunes.co.ukをめぐるドメイン名紛争でApple Computerに敗れ、同ドメインの所有権をAppleに移転させるよう命じられた人物が、英国高等法院に訴訟提起することを発表した。
ドメイン名紛争解決サービスを提供するNominet UKは今月、Benjamin Cohenに対し、「iTunes.co.uk」のドメインをAppleに引き渡すよう命じた。Cohenが同ドメインを取得したのは、Appleがオンライン音楽ダウンロードサービスiTunes Music Storeを開設する3年前の2000年11月だったにも関わらず、NominetはApple有利の判断を下した。
Cohenは、Nominetへの上訴を選択しなかった理由について、3000ポンド(5600ドル)もの追加費用がかかることと、Nominetが英国の中小企業よりも米国の大企業に好意的だと感じたことを挙げている。
Appleは2004年末、同ドメインを5000ドルで買い取るとCohenに申し出た。しかし、それに対してCohenは5万ポンド(94000ドル)未満の金額で同ドメインを手放す気はないと回答した。両者間の交渉はその後数週間続いたが、問題解決には至らなかった。これを受け、Appleは紛争処理の申し立てをNominet UKに行った。
その際にCohenはMacユーザーでない担当者が紛争解決にあたることを求めたと、Nominetは先頃の裁定のなかで明らかにしている。Macユーザーには狂信的なAppleファンが多い、というのがその理由だ。
CyberBritainのCEOを務めるCohenは、高等法院にて司法の判断を仰ぐつもりだと述べた。Appleは、この件に関するコメントを差し控えている。
iTunes.co.ukにアクセスしたユーザーは現在、Cohenが手掛けるショッピングウェブサイトQuickquid.comにリダイレクトされる。
iTunes.co.ukサイトは以前まで、ユーザーをSkipmusic.com、そして後にはCyberbritain.comにリダイレクトしていた。iTunesの音楽ダウンロードサービスが英国で提供開始されると、同サイトは1日あたり4000件以上のヒットを記録した。
Cohenは、2004年末に同ドメインをAppleのライバルであるNapsterに売り込もうとした。Napsterはこの申し出を断っている。11月のごく短い期間だったが、同サイトへのアクセスがNapster.co.ukにリダイレクトされていたこともある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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