Netscapeが、フィッシング詐欺を阻止する目的で設計されたウェブブラウザ「Netscape 8」のベータ版をリリースした。Netscapeは同ブラウザで、MicrosoftのInternet Explorer(IE)がもつ圧倒的な市場シェアを切り崩しにかかる構えだ。Netscapeは現在、Time Warner傘下のAmerica Onlineに属する部門の1つとなっている。
Netscapeは米国時間3日、Netscape 8ブラウザについて、フィッシングをはじめとするオンライン詐欺の脅威から、これまで以上に強力にユーザーを保護すると述べた。同ブラウザは、Netsapeのウェブサイトで公開されている。
Netscapeによると、同ベータ版は2月中旬に公開される予定だったが、複数のバグを修正する必要が発生したため、公開日が延期されたという。Netscapeは、少なくとも向こう数週間をNetscpe 8のテストにあてる模様だ。関係者によると、同ブラウザの正式なリリース日はまだ決定していないという。
Netscapeブラウザはかつて、市場シェアの約80%を獲得していた。しかし、その後、Microsoft IEがブラウザ市場を席巻し、Netscapeのシェアは落ち込んだ。IEはブラウザ市場の90%近くを支配しているというのが、大方の市場調査会社の見解である。
IEのセキュリティ脆弱性がよく指摘されることを受け、Netscapeをはじめとするブラウザソフトメーカーは、セキュリティを自社ブラウザのセールスポイントにしようとしている。なかでも最もよく知られているのはNetscapeが設けたオープンソース開発プロジェクトのMozillaだ。
オンライン犯罪、特にフィッシング詐欺の脅威はここ数年の間に大きくなっている。フィッシングとは、信頼ある企業(例えば、銀行やEコマースベンダーなど)からのメールに見せかけた偽メールをユーザーに送りつけて偽のウェブサイトにおびき寄せ、個人情報を盗み出そうとする行為。犯人は、ユーザーの個人情報を入手すると、そのユーザーになりすまして不正行為をはたらく。
オンライン犯罪からユーザーを守るためにNetscape 8ではさまざまな対策が講じられている。その一例として、悪質と思われるサイトのブラックリストが、外部のセキュリティベンダーからNetscape 8にフィードされるようになっていることが挙げられる。ここでいう悪質なサイトとは、スパイウェアや有害なプログラムをばらまいたり、フィッシング詐欺を実行したりするために立ち上げられたサイトのこと。このブラックリストは頻繁に更新されていく。
Netscape 8では、ユーザーがこのような危険なサイトにアクセスした場合に警告ページを表示する。また、それでもユーザーが危険なサイトへのアクセスを継続する場合、同ブラウザは、Active X、Java Script、Cookieなどの設定を無効にする。これらは、以前のバージョンにはなかった機能だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス