Salary.comが発表した調査レポート「セクシーな職業ランキング」を見ていると、技術者にもコメディ映画「オースティン・パワーズ」の主人公に見られるような面白さがあればよかったのに、という声が聞こえてきそうな気がしてくる。コンピュータ技術者は、セクシーな職業トップ10から漏れただけでなく、シェフや公認会計士、歯科衛生士などのように、レポートの中で誉められることさえなかった。
IT業界の中には、ソフトウェア、ハードウェアの開発に携わる技術者たちの魅力について、Salary.comの調査結果とは異なる意見を唱える人もいる。
ロボットを開発するiRobotの共同創業者Helen Greinerの目には、技術者の男性こそ、魅力的に映るようだ。「私は頭の良い男性が好き」と彼女は言った。「これまでに付き合った男性はみんな、エンジニアか科学者よ」(Greiner)
SI企業Ciberに勤めるソフトウェア開発者のRandall Carterも、技術者は頭が良くて魅力的だという意見に賛成する。「知的であることがセクシーだと考えるならば、もちろん、技術者はセクシーな職業と思われてしかるべきだ」(Carter)
しかし、Salary.comのアンケートに答えた5000人近い回答者は、先に登場した人達とは考えが異なるようだ。「最もセクシーな職業」の第1位に輝いたのは消防士で、それに航空機の客室乗務員、CEOが続いた。
意外かもしれないが、記者とインテリアデザイナーもトップ10入りを果たしている。Salary.comでは、この2つの職業の人気が急騰したのはテレビ番組の影響だと推測している。「セクシーな職業としてこの2つが急に浮上したのは、『Will and Grace』でインテリアデザイナーのGrace Adlerを演じるDebra Messingと、『Sex and the City』で新聞コラムニストのCarrie Bradshawを演じるSarah Jessica Parkerに人気が集まったせいではないか」と同社のウェブサイトには書かれている。
The Atlantic Systems Guildのソフトウェア開発コンサルタントTim Listerは、消防士と自分たちを比較して、「確かにわれわれは、筋骨隆々のたくましいタイプではない」と述べる。「消防士対プログラマのオリンピックがあったら、プログラマは絶対に負ける」(Lister)
企業の経営幹部を中心に人材紹介を行うKorn-Ferry Internationalで技術部門を率いるRichard Spitzも 「一日中椅子に座っていながら、セクシーでいるのは難しい」と付け加える。
CiberのCarterは、コンピュータ技術者はオタクと思われがちだという。「ほら、シャツのポケットに何本もペンを差していて、(ポケットに穴が開かないように)ポケットプロテクターを使っている技術オタクのことだよ」とCarterは述べる。
確かに、コンピュータ業界は男性中心になりつつあり、このことについて多くの人が懸念の声を上げている。しかし、理工系の技術者がみな、非社交的で運動神経が鈍く、コンピュータ以外に関心を示さないと決めつけるのは間違っていると、iRobotのGreinerは述べる。「技術者に対する偏見をなくしたい。こういう偏見があるから、コンピュータ業界に入ってくる女性も少ないのだ」と同氏は述べる。
Greinerは、技術の世界では珍しく、業界をリードする女性だ。彼女は、技術者に対する偏見をなくすためのアクションを実際に起こしている。彼女は自身の美貌を活かして、Lincoln Navigatorの広告に登場したり、アパレル企業Lands' Endのモデルを務めたりしている。
Korn-FerryのSpitzも、ドットコム・バブルの時代には技術者に人気が集まっていたことに触れ、技術者の人気はいずれ復活すると述べる。「技術者は、われわれの将来を創り出してくれる人達だ。コンピュータ技術者は、かつて人気を集めたことがあるし、将来、再び最もセクシーな職業に選ばれることになる」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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