Napsterが、携帯プレイヤーに楽曲を転送できる会員制音楽配信サービス「Napster To Go」を米国時間3日より提供開始する。同社は「レンタル」形式の音楽配信モデルを採用することにより、Apple Computerが支配するデジタル音楽市場に揺さぶりをかける。
同サービスは月額14.95ドルで提供される。ユーザーは、楽曲を好きなだけダウンロードし、それらをMP3プレイヤーに転送して再生することができる。これらの楽曲は、利用料金を支払い続ける限り、何度でも再生可能だ。
Napsterの広報担当によると、同社は3000万ドル規模の広告キャンペーンを行うという。同社は今週日曜日のスーパーボウルの放映中にも、AppleのiTunes Music Storeとの比較広告を流す予定だ。
Napsterはこれまで数カ月間、同サービスのプレビュー版を公開してきた。 同サービスには、Microsoftのデジタル著作権管理(DRM)ソフトウェアが採用されている。
MicrosoftのDRMソフトウェアを使うと、MP3プレイヤーを使って楽曲をモニターし、ユーザーが利用料金の支払いを停止した時点で楽曲へのアクセスを禁止することが可能になる。これまでの大抵の会員制サービスでは、楽曲の再生がPC上だけに限られていた。
Napster以外の企業も携帯プレイヤー向けの音楽配信サービスを立ち上げる計画だ。大学向けに音楽配信サービスを提供するCdigixは2日、MusicNetとの提携の下で、携帯プレイヤーへのファイル転送が可能な会員制サービスを今月中に立ち上げる予定だと語った。
RealNetworksも音楽配信サービス「Rhapsody」の新バージョンを立ち上げる計画だ。同社は、分野によってはMicrosoftと激しく競合するにも関わらず、MicrosoftのDRM技術を採用する。
アナリストらは、Napster To Goのようなサービスについて、継続的に利用料金を支払うという考え方と、CDのように音楽を所有するのではないという考え方が、消費者から受け入れられるか首をかしげる。実際に、Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobsは、人は音楽を所有したがるものだと述べ、会費制サービスに対して懐疑的な見方を示している。
Napsterの「Do the math(計算してみて)」と銘打った広告キャンペーンはまさにその点を突くものだ。同社は、AppleのiTunes Music Storeを利用してiPodに容量いっぱいまで楽曲を詰め込むと、約1万ドルかかると指摘する。これに対しNapster To Goを利用すると、月額たった15ドルで他社製の同じ容量のプレイヤーに楽曲を目一杯詰め込める、というのが同社の主張だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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