主要なウェブポータル企業各社が年末に向けて投入を急いでいる製品がある。それはデスクトップ検索ソフトだ。
Microsoftは、以前からの予告通り、デスクトップ検索アプリケーションのテストバージョンを数日中に発表する計画だ。同社は米国時間13日に記者会見を開き、新しいMSNサービスを発表することを10日に明らかにしている。Ask Jeevesも自社ソフトを15日にリリースする計画だ。また、これまでデスクトップ検索に関する計画を公表したことのないAmerica Onlineも、Copernicとの提携の下で先週からテストを開始しているとされる。
Yahooは9日、デスクトップ検索ソフトのテストバージョンを1月上旬にリリースすると発表したが、Microsoftのニュースはその直後に明らかにされた。Yahooの無償ソフトは、X1 Technologiesからライセンス提供される技術を利用して開発されたものだ。このソフトを利用すると、音楽や電子メール、写真など、ハードディスクに保存された225以上の種類のファイルを検索できる。
一方、Googleはこの分野で他社を約2カ月リードしている。
デスクトップ検索は、ユーザーの囲い込みやブランドロイヤルティの向上に役立つと考えられている。そのため、ウェブポータル企業各社は、デスクトップ検索の開発に力を入れている。ウェブやインターネットアプリケーションだけでなく、PCに保管されたファイルを簡単に検索する技術を持つ企業は、Googleを追い越し、検索業界のトップに躍り出ることもできると見られる。またデスクトップ検索は検索プロバイダ各社にとって、パーソナライズされた広告を個人に配信する新しいチャネルとなる可能性もある。
デスクトップ検索アプリケーションメーカーCopernicの最高経営責任者(CEO)David Burnsは、「これは業界再編や消費者からの注目をかけた戦いだ」と述べる。
BurnsはAOLとの提携に関してはコメントを避けた。Copernicでは目下、株式公開中のメタサーチエンジンMamma.comによる買収手続きが進んでいる。
この業界で最大の脅威と考えられているのはMicrosoftだ。同社は、2006年登場予定の次期Windowsオペレーティングシステム(OS)であるLonghornで、インターネットやPC、アプリケーションを検索する機能を完成させる計画だ。同社は今のところ、デスクトップ検索アプリケーションの開発に重点的に取り組むことで、この分野におけるライバル各社の攻撃をかわしている。アナリストや業界幹部は、Microsoftほどの流通網や資金力があれば、デスクトップ検索アプリケーションを利用してGoogleをはじめとするベンダ各社からビジネスを奪うことも可能だという。
Forrester ResearchのアナリストCharlene Liは、「OS側からのアプローチで開発を進めるMicrosoftなら、拡張イントラネットの検索も可能にできる」と話している。
GoogleのDesktop Searchはダウンロードして利用するシンプルなアプリケーションで、これを利用するとウェブブラウザからハードディスクのコンテンツを検索できる。これまでのところ、同ソフトウェアに対する評価は人によってまちまちだが、ウェブユーザーの基本的ニーズを補完的に満たしてくれると評価する声も多い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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