新ブラウザの機能
Netscapeの新ブラウザで提供されている機能の1つは、ソフトウェアを最初にインストールすると開くタブだ。このタブは、ユーザーがポップアップウィンドウを遮断するオプションを選択しない場合に、これを吸収する働きをする。またブラウザが立ち上がると、ウェブのフォームで頻繁に要求される情報をあらかじめ保存できる、ブラウザの「Form Fill」アプリケーションの利用を促してくる。
さらに、新ブラウザのカスタマイズ可能なインターフェースでは、FirefoxのRSS(Really Simple Syndication)機能を利用してニュースの見出しや株価などをブラウザのツールバーにスクロール表示できる。
NetscapeはこのプロトタイプをCNET News.comに提供した。しかし同プロジェクトの関係者はこのリリースや、最終バージョンのリリース予定時期、名称や番号、また関連する新デザインのNetscapeポータルがスタートする時期等について、一切のコメントを差し控えた。
Mozillaプロジェクトは、このNetscapeのリリースを歓迎すると述べている。NetscapeがリリースしたプロトタイプはFirefoxのpre-1.0バージョンをベースにしたものだが、最終バージョンではFirefox 1.0をベースにする予定だという。
Mozillaのあるリーダーは、自らのブラウザをより高度なユーザー向けだとするNetscapeの主張に対してFirefoxを擁護し、しかも新しいNetscapeに内蔵された機能をFirefoxで再現するには、プラグインや拡張機能をいくつもインストールしなければならないと述べている。
「ブラウザを構築する際に可能なトレードオフがいくつかある。Firefoxではサイズを小さくするために数多くの部分を削っている」と、Mozillaのエンジニアリングディレクター、Chris Hofmannは述べている。
Firefoxの機能拡張を集めたサイトには、現在159個の拡張機能が載せられているが、このなかには、新しいNetscapeをつかった場合と同様に、FirefoxユーザーがIEのなかでサイトを見られるようにするものもある。またAtit-for-tatという機能拡張を使えば、IEユーザーがFirefoxのなかでページを見ることも可能だ。
Microsoftも歓迎の声明
Microsoftは、NetscapeでもIEを使ったブラウズが可能になるというニュースを歓迎し、それがIEをソフトウェア開発のプラットフォームにしたいと考える同社のビジョンにマッチしていると語った。
「われわれは、数百社のパートナーや独立系ソフトウェアベンダーらを巻き込んだ活発な生態系が成立していることをとても喜んでいる。彼らは引き続きIEプラットフォーム上でソフトウェア開発を行っている。彼らの開発するアプリケーションのなかには、とても人気の高いブラウザーの機能やアドオンがある」と同社は声明の中で述べている。
あるアナリストは、NetscapeがIEとFirefoxの両方のエンジンをサポートするハイブリッド戦略をとることで、正しい方向に進むかもしれないと述べたが、しかし同時に市場のごくわずかなユーザー層しかねらえない可能性もあると注意を促している。
「Netscapeは『両方のいいとこどり』を狙う戦略に違いない」とNPD GroupアナリストのRoss Rubinは述べ、さらに「時にはそれが功を奏する場合もある。記録型DVDフォーマットに関して+(プラス)と-(ダッシュ)の両方をサポートしたソニーがその良い例だ。しかし、互換性のためにIEの持つセキュリティ面の弱さに目をつぶれば、Netscapeに乗り換えようという動機付けが失われてしまうだろう」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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