GoogleとMozilla Foundationが協力してウェブブラウザを開発しているのかどうかは定かでない。しかし、Firefox1.0のリリース以来、両社の間には良い雰囲気が漂っている。
Mozilla Foundationが米国時間9日午前に発表したウェブブラウザ「Firefox 1.0」を起動すると、Googleの検索ページがデフォルトとして表示される。Mozilla FoundationのプレジデントMitchell Bakerによると、同ウェブブラウザは公開後の2日間だけで、約250万回ダウンロードされたという。
Mozilla Foundationは、Firefoxの利用者層を、これまでのウェブ開発関係者から一般ユーザーへと拡大させたいようだ。一般ユーザーは検索エンジンを利用する機会が多いことから、Googleの検索機能がFirefoxの目立つ場所に配置されたものと思われる。
「一般コンシューマ市場に訴求するという目標に合わせて、スタートページを新しくした」(Baker)
また、Googleには大量のトラフィックに対応できるだけの技術インフラがあることも、Googleをスタートページに採用した理由の1つだと、Bakerは述べた。
ここ数カ月間、Googleがウェブブラウザを開発しているという憶測が流れていたが、その提携先としてMozilla Foundationの名が挙げられていた。両社は、この噂を否定しているが、互いに強固な関係を築いていることは確かだ。Mozilla Foundationは今週、デスクトップ検索プロバイダ各社との関係を強化し、Firefoxの将来バージョンにデスクトップ検索機能を搭載していく計画を発表している。この計画は、Googleがここ最近進めているデスクトップ検索戦略とも合致する。
まずは、かねてからの予想通りFirefoxブラウザが消費者の間で大人気となれば、 Googleは、Mozilla Foundationとの提携による恩恵を受けることができる。Firefox人気の背景として、市場で圧倒的地位を占めるMicrosoftのInternet Explorerに対する消費者の不満が増大している状況が挙げられる。Googleは売上の大部分を検索結果の横に表示される広告に頼っているが、Firefoxが同社の検索エンジンや広告に対する需要を喚起してくれる可能性がある。
Firefoxの以前のバージョンでは、右上のツールボックス内にGoogleが配置されていた。この点は、バージョン1.0でも変わらない。ユーザーは、このツールボックスのプルダウンメニューから、Googleの代わりにYahooやAmazon.comなどを選んで検索を行うこともできる。また、デフォルトページをGoogleからAsk Jeevesなどのほかの検索エンジンに変更することも可能である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス