ソーシャルネットワーキングサイトのLinkedInで化粧直しが進んでいる。
専門職種の人材を引き合わせることに重点を置く同サイトは、来年に向け、インタフェースのアップグレードと一連の有料サービス開始を計画している。同社ではプレミアムサービスのオプションとして、求職者探しのための機能を強化したツールや、採用候補者やビジネスパートナー候補の照会先を探し出す一段と効率的な手段の提供を考えている。
LinkedInでは、特定の最低経験年数を満たすメンバーを探しやすくする検索機能の強化などを検討中だ。LinkedInの共同創業者であるKonstantin Guerickeは、人材を捜している人にはこの機能の重要性が分かるはずだと語る。「彼らはとにかく注文が厳しい」(Guericke)
LinkedInをはじめとするソーシャルネットワーキングサイトは、口コミでお互いを推薦し合うビジネスマンを支援することで、求職活動のあり方を変えようとしている。ある意味で、LinkedInなどはMonster.comのような大規模オンライン求職情報掲示板に代わるものだと言える。
LinkedInを利用する求職者は、就職口と、就職口を見つけてくれる関係者の両方を探すことができる。採用担当者もまた、将来有望な求職者と、その候補者を評価できる人を同時に見つけられる。LinkedInのCEO(最高経営責任者)、Reid Hoffmanは、「ビジネスはすべて信頼できる紹介を通じて始まるものだと思う」と語っている。
今年初めにソフトウェアベンダーのBlueRoadsに就職したKathleen Hayesにとっては、LinkedInが構造的に備える信頼が重要な役割を果たした。
BlueRoadsマーケティング担当バイスプレジデントのHayesは、友人の友人を経由して同社から送られてきた招待状を受取った。
「自分の信頼する人からメッセージが来た。(BlueRoadsが)突然電話をかけてきたら、彼らの招待を受け入れていたかどうか分からない」(Hayes)
個人の人脈を整理するためのオンラインコミュニティやツールを提供している企業としては、ほかにもRyze、Open Business Club(OpenBC)、The Ecademyなどがある。
調査会社Delphi GroupのCTO(最高技術責任者)、Dan Keldsenによると、LinkedInがほかのサイトと違うのは実質本位なところだという。Keldsenは、欧州のOpenBCサイトなどでは掲示板を提供しているが、LinkedInにそうした機能がないと指摘。またOpenBCはユーザーにイベント管理ツールまで提供しているが、それでもLinkedInは効果的だ、と同氏は語る。
「ウェブ上にこれだけの人脈を集め、どこからでも利用できるというのは極めて強力だ」(Keldsen)
ほかの人々も明らかにLinkedInが役に立つと考えている。成長を続ける同サイトには140万人のユーザーがおり、平日の昼間であれば、5秒間隔で専門職の新規登録が行われている。LinkedInでは自分のプロフィールを公開することや、ほかのメンバーとの人脈づくりができる。LinkedInでは、だれでも人脈を通じて求職者、専門職、ビジネスパートナーに紹介してもらえる。
同サイトはさらに、DirectEmployers Associationが運営するオンライン求職情報掲示板との提携により、特殊な職種の求人を探し出せる機能も提供している。LinkedInで仕事探しをする求職者は、DirectEmployersの求人リストと、仕事を見つけてくれそうなLinkedInメンバーの情報を入手できる。
同社は今年、ユーザーがLinkedInネットワークに接続するためのツールバーをMicrosoftのInternet ExplorerとOutlook用に公開した。LinkedInのHoffmanは、「Outlookをクラッシュさせないことを重視した」と語っている。登場から5カ月が経過した同ツールバーだが、問題は一度も発生していない、と同社は述べている。
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