米大統領選挙の投票日を目前に控え、ネット上ではミュージシャンとファンによる政治的なレトリックのボリュームが上がっている。
先週、ラッパーのEminemが政治色の濃いミュージックビデオをリリースした。このアニメーションビデオは、Eminemの新しいアルバムに収められた「Mosh」を題材にしたもので、米国時間27日のMTVでのテレビデビューに先行し、ネットではその前日に公開された。
このビデオには、険しい表情のEminemが、黒いパーカーを着た多数の人々に囲まれて政府の建物に向かって行進していく姿が映されている。そして、この群衆がパーカーのフードを上げて投票用ブースに入るところでビデオは終わる。怒りに満ちた反Bushの歌詞からすると、登場する群衆の多くが共和党に一票を投じていないのはまず間違いない。
音楽のジャンルでは対極にありながら、政治的な面ではEminemのビデオと同じ側にあるのが、先月ウェブデビューを果たしたHalloween関連の名作「Monster Mash」の新バージョンだ。この作品はやはりアニメーションが組み合わされており、歌詞もオリジナル版を歌ったBobby "Borris" Pickettが新たに作詞したものだ。
歌詞が書き直された「Monster Slash」というこの曲は、大統領がチェーンソーを振り回しながら森の中を進んでいく様子を描写し、Bush政権の環境政策を問責している。同サイトのスポンサーであるampaign to Protect America's LandsおよびDefenders of Wildlife Action Fundによると、同サイトにはこれまでこの曲を求める10万件以上のユニークビジターがアクセスしているという。
音楽ファンの方も選挙関連の話題で大いに盛り上がっている。イリノイ州シカゴに住むCraig Bonnellというブロガーが率いるグループでは、30以上の音楽およびファイル共有に関するウェブログを公開しているが、現在は通常の更新を中断している。各ブログにはアクセスしてきたユーザーに投票を呼びかけるメッセージが表示されているが、Bonnellらは投票が終わるまで通常の更新は再開しないという。
「みなさん、ちょっと話を聞いてください。Arcade Fireの海賊版はありません。『Hand In Glove』のB面もありませんし、Pixiesのリリース前のアルバムもありません。それより、あなたの人生で最も重要な選挙に出かける準備をしてください」(同メッセージ)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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