ネットの掲示板を手がかりに、ブルガリアにあるパスポート偽造拠点の在処を突き止めた米捜査当局は、過去48時間に8つの州と6つの国で関係者を逮捕した。これらの容疑者は個人情報の窃盗、コンピュータ詐欺、クレジットカード詐欺、共謀などの罪に問われている。
今回の捜査を「Firewall作戦」と名付けたシークレットサービスの説明では、複数の個人が連携して170万枚分以上のクレジットカード番号をはじめ、430万ドルを上回る金融情報を盗み出したという。連邦捜査当局の捜査官は、英国、カナダ、ブルガリア、ベラルーシ、ポーランド、スウェーデン、ウクライナ、オランダの当局者と協力し、米国時間26日夜から28人の容疑者を逮捕しており、捜査は依然継続中であるとしている。
シークレットサービスを指揮するW. Ralph Bashamは声明のなかで、「情報は世界中で流通する新しい通貨だ。容疑者は、一般市民の個人情報や金融情報、そして電子商取引を行っている企業の機密および独自情報を狙った」と述べている。
ネットを舞台にした組織犯罪に関する国際的な捜査は、ここ3カ月で3度行われている。8月には、米司法省の「Digital Gridlock」作戦で著作権侵害の容疑者が5つの州で逮捕されており、「Web Snare 作戦」と呼ばれる大規模なコンピュータ犯罪捜査では、FBIと米国郵政公社の捜査官が103人以上の逮捕者を検挙したと発表した。
米国時間28日にニュージャージー州の大陪審が出した起訴状では、Shadowcrew.comというサイトのメンバー19人が、個人情報窃盗や偽造に関するチュートリアルや情報、そして機密性の高い個人情報や金融情報を取引していたという。容疑者の罪状は、共謀、身元詐称、1800万件の電子メールアカウントと個人を特定する情報の取引、クレジットカード番号の闇取引、偽造/盗難された身分証明書の取引など多岐にわたる。
この訴状によると、同グループは盗んだクレジットカード番号や銀行口座の情報に加え、偽造パスポート、運転免許証、社会保障カード、クレジットカード、デビットカード、出生証明、学生証、健康保険証などを取引していたという。
このほかには、身元詐称集団に関連して9人が逮捕された。
この捜査は、現在は米国土安全保障省の管轄となったシークレットサービスが、ある金融犯罪捜査を開始した2003年7月に始まった。シークレットサービスの声明によると、Shadowcrew.comウェブサイトにおとり捜査で潜入した捜査官が、同サイトの4000人のメンバーのなかから犯罪行為に積極的に参加している人物を特定したという。この捜査は、CardplanetおよびDarkprofitsという別の2カ所のウェブサイトにも及んだ。シークレットサービスではこれらを、ほかの金融犯罪組織とつながりを持つポータルサイトだと断定している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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