サンフランシスコ発--Appleの上級幹部が米国時間26日に、携帯電話関連の大規模なイベントで講演を行ったが、これを聞いた聴衆の多くはAppleがQuickTimeメディアプレイヤーを携帯電話に移植する時期について疑問を持ったはずだ。
Appleのシニアディレクター、Frank Cassanovaが基調講演と対談で遠回しに答えた内容から察すると、QuickTimeを搭載する携帯電話が近い将来登場することはないようだ。
Appleと競合するMicrosoftやRealNetworksは、自社のメディアプレイヤーを電話機メーカーに直接内蔵してもらうことで、急速な成長を遂げる携帯電話エンターテイメント市場に参入する道を選んだ。だがCassanovaは、Appleにはそのような必要性がないと語った。大手携帯電話会社のVerizon WirelessやSprint、そして日本のNTTドコモやKDDIは既に、自社サーバでQuickTimeを動かし、写真付きメールなど新しいサービス向けのメディア類を管理している。
Cassanovaは、CTIA Wireless IT & Entertainment 2004の聴衆に向け、Appleは主にネットワーク上でメディアを管理するサーバを携帯電話会社に販売することで、電話機を1台も製造することなく携帯電話会社の中核に食い込んだと語った。
iPodとは異なり、「サーバはあまり派手に宣伝されない」とCassanovaは語った。だが、すでに25社の事業者がAppleの機器を試験運用中で、さらに別の約25社とも交渉を進めているという。
ワイヤレス機能を搭載したiPodの噂について尋ねられた同氏は、「会社のポリシーでその質問には答えられない」と語った。このようなデバイスが登場すれば、携帯通信事業者が先を争ってワイヤレスネットワーク版iTunes音楽ストアを立ち上げるだろう。Cassanovaはまた、MotorolaとAppleによる提携の進捗状況についてもコメントしなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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