カリフォルニア州レッドウッドシティー発--DivX Networksのある上級幹部が米国時間26日、インターネットビデオの反逆児である同社が、ハリウッドの主要映画会社2社との間で、画期的な契約の締結寸前にあることを明らかにした。この契約がまとまれば、2社がDivXの技術をサポートすることがクリスマスまでに表明されることになる。
DivXはすでに、News Corp.の20th Century Foxとの間で、機内映画レンタルサービス用に映画をエンコードする提携関係を結んでいる。DivX社長のShahi Ghamanは、Consumer Technology Ventures ConferenceでCNET News.comのインタビューに答え、今回の提携により、2005年上半期中に開始予定のインターネットビデオを使ったオンデマンドサービスで、同社のビデオフォーマットが採用されることになると語った。
Ghamanは契約相手の社名を明かさなかったものの、いずれはハリウッドの主要スタジオ5社と契約する見込みであることを明かした。同氏によれば、映画業界ではMicrosoftが開発を進める次期Windows「Longhorn」に代わる選択肢を支持したいという機運が高まっているという。
「Longhornの仕様を見れば、だれでも脅威を抱いてDivXを支持したくなる」(Ghaman)
DivXの開発した技術は何年も前から、違法なビデオファイル交換に使われてきていた。そのためDivX という名前からこうした違法コピーを連想する者も多いが、そんな同社にとって、今回の契約はハリウッドとの関係の雪解けを示す最も明らかな証拠といえる。
DivX Networksはその後ファイルの違法コピー防止技術を開発し、それをいくつかの合法サービスにもライセンス供与している。また数年前にリリースされたMuppetsのDVDにも、同社の技術が使われている。
Ghamanによると、現在少なくとも2社の映画会社がDivXの採用を計画しているという。映画会社が目を向けているのは、いわゆるプログレッシブ・ダウンロードスキャンという技術で、これを使ったサービスが実現すれば、インターネット経由で映画をダウンロード購入することが可能となり、消費者はレンタルビデオを借りたり、ケーブルテレビと契約しなくても済むようになるという。
Jupiterのアナリスト、David Gartenbergは、「(DivX Networksが)映画スタジオやコンテンツプロバイダーを巻き込めれば、彼らにとって大きな勝利となることは間違いない。コンテンツプロバイダーがMicrosoftやApple Computer、あるいはRealNetworksと手を結びたがらず、代替ソリューションを探しているケースがいくつかある。それでも、DivXにとっては厳しい戦いとなるだろう」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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