「Amazonが成功した秘訣は、他社の動きによけいな気をとられずにいたこと」--10月12日、米Amazonの創業者で最高経営責任者を務めるジェフ・ベゾス氏が来日し、同社の戦略と新サービスの説明を行った。
ベゾス氏はまず、Amazonのビジョンについて「オンライン上であらゆるものを発見し、購入できる場をつくること」と「常に顧客を第一にサービスを考えること」の2点を挙げる。
「インターネット業界の変化は速く、競合他社の動きや技術を中心に考えるとすぐに戦略の見直しを迫られることになる。しかし、顧客を中心にすれば長期的な戦略が立てられる」(ベゾス氏)
顧客の観点に立ってAmazonが重視するのは、低価格、品揃え、利便性の3点だ。「欲しいときに欲しい物を低価格で買えるようにする」(ベゾス氏)。AmazonではテレビCMなども行っておらず、「広告費をかけるよりも、価格を下げたり配送料を無料にしたりすることで顧客に還元し、Amazonは成功した」とした。
「オンライン上であらゆるものを発見する」という点については、ウェブ検索ツールのA9を9月に米国で開始している。ベゾス氏は「まだウェブ検索は(業界として)始まったばかりだ。これからさまざまな革新が起こるだろう」と述べるにとどめた。
Amazon.co.jpの「おもちゃ&ホビー」ストア開設をアピールする米Amazonのジェフ・ベゾス氏 |
日本のAmazon.co.jpの現状については、品揃え数が2001年の170万点から2004年に700万点へと伸び、過去12カ月以内にAmazon.co.jpで商品を購入したアクティブ・カスタマー・アカウント数は2004年9月時点で380万件を超えるという。国別の売上高は非公表だが、2004年第2四半期の売上高は2001年時点の10倍以上となり、7四半期連続の営業黒字を達成したとのことだ。日本市場はAmazonにとって大きな存在といい、「Amazonの売上のうち45%は米国以外からのもので、そのうちの大きな部分を日本が占めている」とベゾス氏は話している。
Amazon.co.jpでは同日、新たに「おもちゃ&ホビー」ストアを開設した。子どもの年齢別に商品を探せる機能を備え、カスタマーレビューでは楽しさ、耐久性、教育的価値の3つの観点から評価できるようにした。子ども向けのおもちゃだけでなく、大人向けのプラモデルやフィギュアといった商品も揃えている。同社ではクリスマス商戦に向け、同ストアの利用を促したい考えだ。
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