3大ネットワークの看板ニュースキャスターらが、インターネットで活動する「ブロガー」を相手にケンカを売っている。
米国時間3日にニューヨークで行われたThe New Yorker誌主催のパネルディスカッションのなかで、NBCニュースでキャスターを務めるTom Brokawと、ABCのニュースキャスターPeter Jenningsは、CBSの看板キャスターであるDan Ratherの援護射撃にまわり、ネットで活動するブロガーに痛烈な批判を加えたと、APならびにReutersが報じている。ブロガーらは、Ratherが司会を務める「60 Minutes II」という番組が、ブッシュ大統領のNational Guard時代の軍歴について偽りの報道を行ったことに対して攻撃を加えているが、Brokawはこのブロガーの行動を「政治的なジハード」と呼んだ。
「私が非常に不適切だと思うのは、インターネット全体である種の政治的なジハードが起こっているということだ」 とBrokawはパネルディスカッションのなかで述べた。このパネルディスカッションには、同氏と共にRatherとJenningsも参加していた。
「こうしたブロガーの発言は、確かにCBS Newsを悪者扱いしようとするものであり、彼らの多くがつかんでいる事実に基づいた情報からは大きくかけ離れているため、ある種のデマと化している」(Browkaw)
BrowkawとJenningsは、ブッシュ大統領のNational Guard時代の軍歴に疑問を呈した「60 Minutes II」の報道に誤りがあったことは認めたものの、結局身内ともいえるRatherの支持に回った。両者ともブロガーに対する軽蔑を隠しはしなかったが、これはブロガーらがRatherとCBSを非難する何万ものブログを公開し、いまでもこのスキャンダルを話題にしているからだ。
「長いキャリアのなかで犯したたった1つの過ちで、その人間を判断するべきではないと思う」とJennings。「CBSへの攻撃は、すなわち主流のメディアに対する攻撃であり、さらにはいわゆる『リベラルなメディア』への攻撃だと思う。私は、誰かがミスしても本人がそのことを謝れば、それでいいと思う。あとは本人が家に帰ってから、自分の基準を見直すことが大切だ」(Jennings)
Ratherは、調査の進行中にはこの件について話をしないよう(CBSの)ニュース部門の幹部から言われているとして、この状況に関するコメントを断った。
これに対して、BoycottCBS.comというウェブサイトを立ち上げたMichael Paranzinoは、間髪おかずにBrowkawの発言に関するコメントをブログに上げた。
「Tom Brokawはニュースを読むのが仕事だが、果たして彼は内容を理解しているのだろうか。ジハードというのは、傲慢で偏見に満ちたメディアに改革を求める米国人の行動を指す言葉ではない。ジハードとは、暇つぶしに子供を大量虐殺したり、テルアビブのカフェで家族連れを吹き飛ばすイスラム原理主義者の行動に使う言葉だ。Browkawが忘れているといけないので付け加えておくと、世界貿易センタービルや米国防総省の建物にジェット旅客機を体当たりさせるテロリストの行動にもジハードという言葉が当てはまる」
さらに同氏は「Browkaw氏がどんな暴言を吐こうと、我々がそれで口を閉ざすようなことにはならない」と付け加えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス