Googleがウェブブラウザにまで手を広げようとしている可能性がある。ただし、最近見つかった手がかりが全て本当ならば、の話だが。
同社がGoogleブランドのウェブブラウザを出す計画を進めているとの噂について、最近これを裏付けるような証拠がますます増えており、実際にドメイン名の登録や特許申請、何人かの社員を新たに雇用した事実など、その可能性を示唆する手がかりが見つかっている。
Googleが株式公開(IPO)で16億6000万ドルを調達して以来、投資家や業界観測筋の間では、同社が新たに数十億ドルの売上を生み出したり、旨みの大きな広告ネットワークを拡げるのに役立つような新製品を開発するとの憶測が飛び交っている。
Googleの検索機能に無料メールサービスの「Gmail」、ウェブログサービスの「Blogger」、そしてポップアップ除去技術などを合わせたブラウザがあれば、Googleはブラウザ分野でも勝者となれる可能性がある、と業界アナリストらは述べている。
WhoIsドメインネーム・データベースにある記録によると、Googleはこの憶測を裏付けるかのように、4月26日(米国時間)に「gbrowser.com」というウェブアドレスを登録している。また同社の従業員は先ごろ、ウェブブラウザやプラグインなどのクライアントアプリケーションへの広告配信に関する特許を申請している。
さらに、GoogleはグラフィックやJavaScript、ウェブブラウザ開発に関して専門知識を持つ技術スタッフを、ここ数カ月間に数名雇用している。このなかには、元BEAおよびMicrosoft社員で、Internet Explorerの開発に携わったAdam Bosworthや、Microsoftに7年勤務し、Microsoftの次世代グラフィックエンジン「Avalon」を開発したJoe Beda、そしてJavaプログラミング言語とAPIの大規模拡張を設計したSun Microsystemsの元開発者Joshua Blochが含まれている。
加えて、Googleは先ごろカリフォルニア州マウンテンビューにある同社キャンパスで「Mozilla Developer Day」を開催した。このことから、Mozillaが開発するオープンソースのブラウザに、Googleを利用したインターネットツールを導入するため、同社のエンジニアがコードを提供するとの可能性が指摘されている。
Mozillaの運営するBugzillaシステムに投稿されたあるメッセージは、両社の間にこうした提携関係が存在することを示唆している。この投稿には、あるバグレポートが以前の報告と重複するとの理由から閉鎖されたと書かれている。Deftone.comブログによると、そのメッセージには「このバグが、Googleとの共同作業に関する内部のバグと同じものなので、こちらは閉鎖しておく」と記されているという。
「GoogleはGmailやBloggerのような、JavaScript対応のデスクトップ的なウェブアプリケーションに重点的に投資している。Googleなら同社の持つJavaScriptの専門知識を使って、Mozillaアプリケーションを構築することもできる。このブラウザにはブログツール、Gmailツール、検索ツールなどが内蔵される」とある有名ブロガー、Jason Kottokeは最近記している。
このブラウザには、「ユーザーが見ているウェブページをチェックし、関連するページや検索クエリを示したり、あるいはブログに書いている内容を把握して、関係しそうなページや新しいアイテム、これまでに呼んだ電子メールなどを教えるような検索枠」が盛り込まれる可能性があると、Kottleは今週投稿したメッセージに記しており、さらにGoogleのgbrowser.comというドメイン名についてもそのなかで触れている。
Googleのある関係者は、ウェブブラウザに関してはどんな計画も発表したことがないと述べ、また噂や憶測についてはコメントしないとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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