ダブルクリックは9月15日、ウェブマーケティングツールの開発・販売を行うインフェイズと業務提携し、モバイルマーケティング事業に本格参入すると発表した。これに伴い、インフェイズの株式の一部を取得する。
インフェイズは2003年に設立されたベンチャー企業。これまでにウェブ分析ツールの「WebMT」を開発・販売している。現在はWebMTのモバイル版となるMobileMTの開発を行っている段階だ。
ダブルクリック代表取締役社長 中山善光氏 |
ダブルクリックはインフェイズとの提携により、ウェブだけでなく携帯電話にも対応したマーケティングが可能となる。ダブルクリック代表取締役社長の中山善光氏によると、モバイルマーケティングに対する需要は高いといい、「顧客からは必ず(モバイルマーケティングはできないのかと)聞かれる」という。
モバイルマーケティングでは後発となる同社だが、「ユーザーの動向分析とマーケティングを組み合わせるという点では他社に遅れをとっているとは思わない」と中山氏は話す。「弊社の顧客には1日300万通のEメールを配信する企業もあり、大規模システムの運用実績がある」(同氏)。インフェイズのMobileMTの開発にも大規模ユーザーの業務ノウハウを提供する予定で、12月中旬に正式リリースするとしている。
具体的な出資金額については明らかにしていないが、インフェイズは第三者割当増資を実施し、ダブルクリックが発行済み株式の34%以上を取得する予定。また、ダブルクリックは取締役1名、監査役1名をインフェイズに派遣する。
資本提携に伴い、インフェイズは開発拠点と全従業員をダブルクリックが所在するビル内に移転する計画。インフェイズ代表取締役社長の稲田光造氏は「将来的には海外展開も視野に入れたい」と話しており、ダブルクリックの中山氏も「まずは携帯電話のインターネットアクセスが盛んな日本での事業に力を入れるが、米DoubleClickの技術陣と提携し、中国や韓国、欧州への展開も検討している」と今後の事業拡大に期待を寄せた。
なお、現在インフェイズが提供しているWebMTについては、ダブルクリックが12月中旬にリリースする予定のウェブ分析ツールSiteAdvanceに統合する方針。ただし既存顧客に対するサポートは引き続きインフェイズが行うとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス