Yahooは米国時間14日、デジタル音楽配信を行うMusicmatchを、1億6000万ドルの現金で買収することを明らかにした。
同社は、この買収がオンライン音楽業界における自社の存在感を高めるのに役立つとしている。現在大きな盛り上がりをみせるオンライン音楽業界では、Apple ComputerのiTunes音楽販売サービスが1曲99セントで1億2500万曲以上を販売し、市場の潜在力の大きさを証明している。なお、CNET News.comでは今年2月にYahooとMusicmatchの買収交渉を報じていた。
YahooのCEO(最高経営責任者)Terry Semelは14日、「Yahooはデジタル音楽業界で一流になるべく最大の努力を払う。両社が力を合わせれば、デジタル音楽へと移行する消費者を大量に獲得しようとするわれわれの戦略が強化される」と声明の中で述べている。
だが、同社の前には強力なライバルがいくつも立ちはだかっている。この分野には、首位をいくApple以外にも、先日参入したばかりのMicrosoft、精力的に展開するRealNetworks、復活したNapster、そして低価格販売に特化するWal-Mart Storesなどがいる。
Yahooは、Musicmatchの買収について、音楽関連のポートフォリオ拡大に向けて今年投資を行う新しい取り組みの1つだと述べている。
1997年設立のMusicmatchは、「Jukebox」と呼ばれるデジタル音楽ソフトの販売と、22万5000人以上の加入者を持つダウンロードサービスの提供を行っている。
この加入者のなかには、サブスクリプション形式のストリーミング音楽配信サービス「Musicmatch On Demand」や、同社のオンライン音楽ダウンロードストアの顧客も含まれている。サンディエゴに本社を置くMusicmatchは、同社のオンラインカタログでは約70万曲が購入できるとしている。
Yahooによる音楽ダウンロード業界への参入は、同社が音楽関連の戦略を転換したことを示すものだ。同社はこれまで、2001年に1200万ドルで買収した「Launch」を中心にオーディオやビデオのストリーミング配信を行っていた。また、YahooはNapsterの音楽サービスも取り扱っており、顧客が音楽をダウンロード購入したり、サブスクリプション形式で利用できるようにしている。
業界アナリストらは、YahooによるMusicmatch買収について、同社のデジタル音楽サービスを完成させるのに役立つかもしれないが、Appleなど定評のある企業との競合は難しいだろうと述べており、Appleが音楽のダウンロードサービス以外に、音楽再生用として最も人気の高いiPodを販売している点をその理由に挙げている。
JupiterResearch(本社:ニューヨーク)のアナリスト、Michael Gartenbergは、「すべての音楽サービスが基本的に同じコンテンツ、同じフォーマット、同じ価格で展開するなかで、Yahooにとっては自社のサービスをどう差別化するかが課題となる。MusicmatchはiPodをサポートしなくなったので、どのようにして独自サービスを維持するのかについて疑問が残る」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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