Microsoftが米国時間2日に、メディア再生ソフトウェアの最新バージョンを発表する予定だ。これにより、同社はパートナー企業に対し、デジタルエンターテインメントサービスを販売するうえでの強力なツールを提供することになる。なお、同社では、自社の音楽ダウンロードストアについても、正式オープンの準備を進めている。
今回、同社が発表するのは「Windows Media 10」。同ソフトには、楽曲レンタルや次世代型ポータブル機器でのビデオ再生などをサポートする新しい機能が搭載されている。Microsoftは、これらの機能でApple ComputerやRealNetworksなどの競合からリードを奪いたい考えだ。
これらの機能は、かなり先端的なものでため、どれだけ多くのユーザーを魅了できるかは未知数だ。だが、Windows Media 10は既に業界内で話題となっており、パートナー企業各社は大挙してMicrosoftの支持にまわっている。同社としては、Windows Mediaを業界のデファクトスタンダードにしようという長年の夢の実現に向けて、頼もしい支援を取り付けた格好だ。
MicrosoftでWindowsコンシューマーマーケティング担当ゼネラルマネージャーを務めるDave Festerによると、2日には、オンライン音楽サービスのNapsterと端末メーカーのCreativeがWindows Media 10をサポートした製品やサービスを発表する予定だという。これが、同ソフトのライセンス提供を受けるたくさんの企業のなかで、最初の商品発表となる。
「われわれの目標は、ユーザーにシームレスなデジタル環境を提供し、それを体験してもらうこと」とFesterは述べる。「ユーザーは、さまざまな音楽ストアで購入した楽曲をさまざまな端末で再生することができる。利用できる場所も制約を受けない。家庭でも外出先でも、どこでも利用できる」(Fester)
Microsoftは今後、パートナー各社が離反しないように注意して戦略を進めていかねばならない。Windows Media Player 10が登場する2日には、MicrosoftのWebポータルのMSNが音楽ダウンロードサービスを開始しており、同ソフトの機能を使ってこのサービスを利用することができるからだ。
Microsoftはこの最新のソフトウェアで攻勢に出る構えだが、携帯音楽プレイヤーの「iPod」とダウンロードサービスの「iTunes Music Store」でこの新興市場を独占するAppleは非常に手強い相手だ。すでに前四半期に86万台を売り上げているiPodの販売台数は今後、さらに急増すると見込まれている。AppleのパートナーとなったHewlett-PackardがiPodの自社バージョンを再販しており、同製品のマーケティングを支援してくれているからだ。
Microsoftが奏でる新しいメロディ
Microsoftがこうした戦いにのぞむに当たって用意した武器が2つある:「デジタル権利管理(DRM)技術」と「ビデオ」だ。
Windows Media Player 10には新しいコピー防止機能が搭載されている。これまで「Janus」という名前で知られてきたこの技術のおかげで、Napsterのようなサブスクリプションサービスの契約者は、レンタルした楽曲を携帯プレイヤーに転送することが可能になる。Festerによれば、Napsterは2日から1カ月あたり約15ドルという価格設定で、この技術に対応したサブスクリプションサービスの販売を開始するという。
このサブスクリプションサービスに対応する端末は、MicrosoftのDRM技術をサポートする新型の機器に限られる。CreativeのPortable Media Centerは同技術をサポートする初めての端末で、2日から小売店で入手できるようになるとFesterはいう。
Portable Media Centerには、容量20Gバイトのハードディスクが搭載されるほか、写真やビデオに対応した機能が付いている。希望小売価格は499ドル。また、iRiverやSamsungからもWindows Media 10に対応した端末が間もなく発表される予定だ。
ポータブルビデオは、市場にどの程度の需要があるのか分からないうえ、商用デジタルビデオサービスもまだ発生段階にあることから、今後どの程度ユーザーに受け入れられるかは未知数だ。Festerによると、ポータブルビデオがあれば、テレビと連携させて番組やビデオを録画することが可能になるという。またこの端末は、個人的な写真などのような静止画像も表示できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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