ファイル交換ソフトKazaaの開発元である豪Sharman Networksが、米国の裁判所でKazaaと同様のPtoPソフト、GroksterとMorpheusが著作権侵害に当たらないとの判決が下されたことに歓喜している。
しかし、この米国での判決が、現在オーストラリアで行なわれている音楽の著作権侵害に関する裁判に影響を与える可能性が低いことは同社も認めている。
Sharmanによると、同社は米国の第9巡回控訴裁判所が下した判決を踏まえ、同社が被告となっている米国の著作権侵害裁判でも同様の判決を下すよう申し立てを行う予定で、この裁判で同社の弁護団を指揮しているRod Dorman弁護士も自信を示している。
「Sharman Networksは、無罪判決につながったGroksterとMorpheusの申し立てとほぼ同じ内容の、略式判決を求める申し立てを行う予定で、Wilson判事がわれわれの製品であるKazaaの合法性を認めてくれることを確信している」(Dorman)
Dormanは、GroksterとMorpheusに対する無罪判決について、IT業界だけでなく、ファンやアーティスト、そして娯楽コンテンツの所有者にとっての勝利だと評している。
「米国の娯楽業界の幹部らも今やPtoP技術を認め、ソフト開発者らと連携して同技術の商用化に取り組まなくてはならない。(米国の娯楽業界は)今こそ、弁護士から事業を取り戻し、デジタル配信の未来に向けて事業を進める時だ」(Dorman)
しかし、Dormanは米控訴裁の判決は、現在オーストラリアで係争中の裁判の前例にはならないと付け加えた。Sharman Networksはこの裁判で、Kazaaソフトに関連した音楽の著作権侵害の容疑がかけられている。同裁判の原告はUniversal Music Australiaをはじめ、数多くのオーストラリアのレコード会社だ。審理が始まって半年が経過したが、未だに証拠開示手続きの初期段階にある。
しかしDormanは、オーストラリアの裁判所は審理の中で、米控訴裁の考え方や判決を考慮するだろうと付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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