何をやっても金になるというイメージが、物議をかもした新規株式公開(IPO)のせいで傷ついてしまったGoogleだが、同社の創業者たちは自分たちの信念を貫き通した。彼らは自分たちのやり方で、IPOを成功させた。
(My Wayを歌った)Frank Sinatraもこれを誇りに思うことだろう。
とうとう、GoogleがIPOの実施にこぎつけた。ここに到達するまでの道のりは長かった。同社はストックオプションについて米証券取引委員会(SEC)から非公式な照会を受け、IPO直前にインタビュー記事がプレイボーイ誌に掲載されたことで余計な注目を浴びてしまった。また、IPO直前になって株式の予想価格帯を引き下げるとともに売却株式数を減らした。2種類の株式を発行することや、今後の経営見通しについての情報が不足していることが、投資家の怒りを買った。
こうした障害があったにもかかわらず、同社は史上最大規模のIPOを果たすことができた。Googleおよび同社の株式を売り出す株主は16億6000万ドルの資金を調達した。同社の株価は上場初日に18%上昇し、100ドルをわずかに超える額で取引を終えた。
「今回のニュースは、まずGoogleがIPOを果たしたこと。そして、それが間違いなく成功したことだ。IPO初日に株式が売出価格より高値で取引されれば、そのIPOは成功だったと言えるだろう」と資金運用会社Hangar Four PartnersのジェネラルパートーナーBruce Lupatkinは述べる。同氏は以前、ブティック型投資銀行Hambrecht & Quistでリサーチディレクターを務めていた。Hambrecht & Quistはその後、Chase Manhattanに買収されている。
上場初日に株が安値で売買されると投資銀行家は不安を覚えるとLupatkinはいう。投資家は、それを株式「破綻」のサインと受け取る場合があるからだ。
「だから、投資銀行家の側から見れば、いろいろな不安要素はあっただろうが、IPOは成功だった」とLupatkin。「一方、投資家の立場からみて、このIPOが成功だったかどうかは時間がたてば分かる」(Lupatkin)
インターネットバブル以前の1990年代のIPOでは、売出価格を設定する際に、IPO直後の取引で株価が10%〜15%程度上昇するように配慮していたとLupatkinは述べる。
GoogleのIPOは異例ずくめだったが、同社に対する否定的な情報の一部は、機関投資家および投資銀行家により操作されていた可能性があると指摘する投資家もいた。あるファンドマネージャーによると、機関投資家は、IPO後に「ひと儲け」するために、直前までその株式について否定的な話を流して公開価格を下げたがるという。また、ダッチオークション形式のIPOについては失敗するよう仕向けたいと、機関投資家たちは考えるようだ。ダッチオークションは、自分たちの収支に悪影響を与えるからだ。例えば、今回のGoogleのIPOではオークション形式が採用されたため、投資銀行の手数料収入は半減した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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