カリフォルニア州サンノゼ発--人間の知識の集大成がインターネット上で公開される日も近いが、問題はそれらの膨大な情報の中から必要な情報をいかに探し出すかだ。
いまや検索エンジンの情報検索技術は飛躍的に向上し、またストレージ技術の発達により、ほとんど全てのものを低価格でデジタル化できるようになったが、情報の系統だった整理やクエリの実行をさらに容易にするためには、検索ツールの改良が必要だ。先週、IBMのAlmaden Research Centerで開催された「New Paradigms for Using Computers」カンファレンスに出席した研究者や講演者からは、そうした意見が聞かれた。
Almaden Research Centerのユーザー・サイエンス/エクスペリエンス・リサーチ担当シニアマネジャー、Dan Russellは冗談交じりに次のように述べた。「現代社会は多くの情報で溢れているが、同時に妨害も多い。(現代社会は)まさに情報の照り焼きだ。『照り焼用つけ汁の中でどのように生き残るか』が問題だ。」
世界の情報をより簡単に検索できるようにするための取り組みはすでに始まっている。カリフォルニア大学バークレー校は、New Paradigms for Using Computersカンファレンスで、芸術作品や骨董品の検索を容易化した「Flamenco」と呼ばれる検索エンジンの試作版を発表した。また、カリフォルニア州サンタクララに拠点を置く情報検索ソフトメーカーのInxightは、人々や組織/団体がウェブ上のどこでどのように言及されているかを調べることで、個人間、あるいは組織/団体同士の水面下の関係を図式化するソフトを開発した。
またデスクトップの分野では、元Apple Computerの開発者、Bruce Hornが設立したIngenuity Softwareなどの企業が、写真や文書をより簡単にインデックス化でき、しかも、それらを自分のハードディスク上でGoogleと同じ要領で検索できるようにするツールを開発している。
これらの研究の取り組みに加え、現在開発中の新しいオペレーティングシステム(OS)にも、より高度な検索ツールが搭載される。
Microsoftは2006〜2007年頃に発売予定の次期Windows OS「Longhorn」(開発コード名)に、より高度な検索機能を追加する予定だ。また同社は先週、現在開発中の、より一般的なウェブ検索“サービス”の実演を行なった。
一方Apple Computerでは、「Tiger」という開発コード名で知られる同社の「Mac OS X」OSの新版に、システム全体の検索が可能な「Spotlight」と呼ばれる新しい検索エンジンを搭載する予定だ。Spotlightを利用することで、ユーザーはシステム内の全てのファイルを素早く検索できるようになるという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」