RealNetworksがAppleのプロプライエタリな技術の秘密を解明し、自社のファイルフォーマットの楽曲をiPodで再生可能にしたことに対し、Apple Computerは29日(米国時間)激しい反撃に出た。
この日発表した短い声明のなかで、AppleはRealNetworksを非難し、Realが「Harmony」のリリースに関して用いたやり方は、まるで「ハッカーの採る戦術」であり、その倫理観もハッカー並みだとして、そのことに「唖然とした」と述べている。
Harmonyは、RealNetworksのオンライン音楽サービスで販売している音楽を、iPodや、これと競合する他社のMicrosoft互換機器など、多種多様な携帯プレイヤーで再生できるようにするソフトウェアだ。
Appleは、iPod用ドライバソフトの次にアップデートする際、Harmonyを使用しているiPodを使えなくするとしている。同社は先週、流行の最先端となっているiPodの、第4世代にあたるモデルを発表したところだ。
「RealのHarmony技術が、現行および将来のiPodで機能しなくなる可能性は非常に高い」(Apple)
さらにAppleは、Realのソフトウェア戦略が意味するところを、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に照らし合わせて調査していると述べた。DMCAでは、DVDおよび一部の音楽CDやソフトウェアプログラムで使用されているコピー防止技術に関して、それを迂回するさまざまな行為が制限されている。
RealNetworksは、今年1月から同社のデジタル音楽サービスで楽曲の販売を行なってきている。だが、同社のフォーマットの音楽ファイルを再生できるのは、これまでごく少数の携帯型プレイヤーに限られていた。AppleはこれまでiPodとの互換性を求める企業へのライセンス供与を拒否しており、RealNetworksもiPod対応ソフトをリリースするに当たって、Appleの許可を得ようとはしなかった。
Realの関係者にAppleの声明についてのコメントを電話で求めたが、まだ応じられていない。
Harmonyは楽曲をiPod対応の形式に自動変換する。Appleは同社のコピー防止ソフト「FairPlay」のライセンスをどこにも供与していないため、RealNetworksは自社のエンジニアにFairPlayを再現した独自のコピー防止技術を開発させ、同社のファイル形式の音楽をiPodで再生できるようにした。RealNetworksでは、この行為が法律的には「リバース・エンジニアリング」には当たらないと主張しているが、法律の専門家らはAppleにはこの問題でRealを激しく追及できるだけの根拠があるかもしれないと述べている。
しかし、Appleは2000年にiMacコンピュータの模倣品を販売した複数のハードウェアメーカーと和解し、商標の保護に成功した経験があるものの、DMCAに基づく裁判でAppleがどれだけ大きな勝利を収められるかは不明だ、とある業界観測筋は指摘している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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