Googleは同社の無料電子メールサービス「Gmail」に、ライバルのYahooやMicrosoft、America Onlineのツールからアドレスデータを読み込めるようにする機能を密かに追加した。
「Gmail」では先週末から、ユーザーが自分のYahoo Mail、MicrosoftのHotmail、およびAOL Mailのアドレスデータを移動できるようになった。Yahooでは、Gmailなど他のクライアントにアドレスデータをすぐに書き出せるようになっているが、HotmailやAOLでは、表計算シートを使って特別なファイルをつくる必要があり、通常はかなり手間のかかる作業となる。
Gmailでは、MicrosoftのOutlook電子メールクライアントからアドレスデータを追加することも可能となったが、これはYahooやHotmailでもサポートしている機能だ。
Googleの広報担当は、このツールをはじめとする各種の新機能が週末から利用可能になっていることを認めた。ただし、今年中の株式公開に向けた静粛期間を理由に、この広報担当はそれ以上のコメントを差し控えた。
Googleは、1Gバイトのストレージを含むGmailのテスト版を4月に提供し始めたが、Gmailの登場はそれまでYahooとHotmailが支配していた無料電子メール分野の様相を一変させる引き金となった。Yahooは自社で提供する無料ストレージの容量制限を4Mバイトから100Mバイトへと引き上げ、またHotmailでもストレージ容量を2Mバイトから250Mバイトへと拡大した。
YahooとHotmailには、長年にわたってサービスを提供してきた実績と、数百万人のユーザーを抱える強みがあるが、Googleの参入はこの分野の勢力図を塗り替えるかもしれない。実際、GoogleはOrkutソーシャルネットワーキングサイトやGoogle Newsなど、多数のサービスを立ち上げてきており、これによってウェブポータル大手各社に対抗できる力を付けている。
Gmailには、アドレスデータ読み込みツールに加え、メッセージの文末に署名を付加するオプションも追加され、さらにApple ComputerのMac OS Xが搭載するSafariウェブブラウザのバージョン1.2.1以降も新たにサポートするようになった。
またGoogleの広報担当者によると、同社は先週、先に買収したオンライン写真管理サイトの「Picasa」へのリンクをホームページに追加したという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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