先週、シリコンバレーの中心を走るハイウェー101沿いのビルボードに、複雑な数学の問題を載せた広告が現れた。これを目にする通勤客の多くは、Googleを使って調べないとこの答えが分からないだろう。
真っ白な背景に黒い文字で書かれたこの匿名の広告は、そもそもGoogleで検索しなくてもこの答えが分かるような、数学に関心ある人々を集めるための同社の求人広告だった。
この広告は、数学者Paul Erdosの「数学者はコーヒーを定理に変える機械だ("A mathematician is a device for turning coffee into theorems.")」という有名な言葉に掛けたものであるのは間違いない。
この広告には、「{eの値中の、最初の連続する10桁の素数}.com」と書かれている。この答えの「7427466391.com」にアクセスすると、そのウェブページにはさらに別の問題が用意されているが、ここにもGoogleが関与していることを示すものは全くない。
この問題を解くと、Googleの研究開発部門「Google Labs」へのページに辿りつく。このページには、「Googleの構築を通して我々が学んだことの1つに、自分が何かを探しているとき、向こうも自分を探している場合のほうが見つかりやすいということがある。我々が探しているのは、世界最高のエンジニアであり、あなたこそその人なのだ」と書かれている。
「ご想像の通り、我々のもとには連日実に多数の履歴書が届く。そこで我々は『SN比を上げる』ために、このちょっとしたプロセスを開発した」
Googleの人材募集のやり方は実に入念なものだ。3月31日時点で1907人の従業員を抱える同社は、創立初日から厳格な採用方法をとり続けている。GoogleがまだPalo Altoのガレージで事業を行なっていた頃に採用された初期の従業員の話によると、同社の共同設立者Sergey BrinとLarry Pageは、面接中に人材雇用に関するハウツー本を近くの机の上に少なくとも8冊置いていたという。同社に採用された他の人々も、多数の面接と、時には数学やビジネス戦略に関するテストなどに耐えた末、ようやく採用通知が来たと述べている。
また、Googleはここ2年ほど、才能のある人物を発掘する方法として、プログラミングコンテストを実施している。しかしながら、同社に採用された人々によると、同社のコンピュータ科学者の多くはスタンフォード大学コンピュータ科学科出身者だという。さらに同社は、自社の検索広告サービスを使って、人材を集める方法も実施しており、たとえばAmazon.comの検索技術部門「A9」を率いるUdi Manberの名前を検索すると、Googelの人材募集広告が表示される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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