2004/06/25 19:35
米下院の委員会は24日(米国時間)、IT企業から批判を浴びているスパイウェア規制法案を承認した。これにより、下院での同法案の採決が可能となった。
米下院エネルギー/商業委員会(House Energy and Commerce Committee:HECC)は「Spy Act」法案を45対4で承認した。同法案は、パソコンの内部に潜み、密かにユーザーの行動を監視したり、不要な広告を表示したりするソフトウェアを対象としており、Mary Bono下院議員(カリフォルニア州選出:共和党)をはじめ、28名の議員が同法案を共同提出している。
Spy Actには、ソフトウェアが行ってよいことといけないことや、どんな動きをする場合にユーザーの明白な許可が必要なのかなどが緻密に記載され、その量は21ページにも及ぶ。規制の対象となる行動の例としては、コンピュータのコントロールを奪うことや、ブラウザ設定の変更、キーストローク・ロガーのインストール、ウイルス対策ソフトの迂回などが挙げられる。
HECCは24日、小委員会によって先週承認した法案を24カ所以上修正した。主な修正箇所としては、ネットワークプロバイダはネットワークセキュリティ/詐欺対策目的の監視ソフトの使用が許される、ソフトベンダーはユーザーに許可を求めるときは規定された複数の警告文の中から選択できる、スパイウェア対策規定はサーバ内のソフトには適用されない、などが挙げられる。
採決の後Bonoは次のように語った。「技術の進歩を妨げることなく、スパイウェア関連のプライバシー侵害から消費者を保護できるだけの強力な法案を策定できたと自負している」。また同法案が可決されれば、ユタ州など各州で施行されているスパイ対策法は無効となり、米連邦取引委員会(FTC)には違反者に対する訴追権が与えられる。なお、米上院でも同様の法案が提出されている。
11月の選挙が近づくにつれ、政治家らは、パソコン画面に大量のポップアップ広告を表示させたり、インターネット上での行動が密かに監視されることへの不安を煽るなどして、有権者を怒らせてきたインターネットに関する厄介な問題について、きちんと行動を起こしていることを有権者にアピールしようと躍起になっている。Dell Computerが今年4月に語ったところによると、昨年暮れに同社のカスタマーサービスに寄せられた苦情の中で最も多かったのがスパイウェアに関する問題だったという。
ハイテク企業は、Spy Actは規定の仕方があまりにずさんで、インターネットサービスプロバイダ(ISP)の事業を危うくする可能性があり、またオペレーティングシステム(OS)に組み込まれる合法的なアプリケーションまでも規制の対象になりかねないと警告し、同法案の採決阻止もしくは延期させようと試みたが、結局失敗に終わった。
米国情報技術協会(Information Technology Association of America:ITAA)は23日に議会に送付した書簡の中で、「現在の法案では、法で義務付けられたポップアップの知らせを大量に発生させて弁護士を喜ばせるだけであり」、また、ユーザーのコンピュータ内に常駐し、プログラムのアップデート/更新/監視を行なう全てのユーティリティが不当に標的にされてしまう、と批判した。
HECCが行なった修正の多くはIT業界の懸念に対応したものだが、IT業界のロビイストらは修正後の法案も許容できないとしている。
Business Software Alliance(BSA)のRobert Holleyman社長は、Spy Actについて、「事実上全てのソフトに同一の警告/承諾画面の表示を義務付けている。このような義務付けをしても、消費者が合法的ソフトと個人情報を不正な目的で利用するソフトとを区別する上で役立たない」と指摘する。BSAにはMicrosoft、Apple Computer、Adobe Systems、Symantecといった企業が参加している。
Spy Actの下で、スパイウェアを取り締まる責任を負うことになるFTCは同法案を酷評した。今年4月、FTCの2名の職員が議会に対しスパイウェアに対する懸念を表明し、Spy Actは合法的なソフト製品にも悪影響を及ぼす恐れがあると警告した。また最近ある連邦検察官も、米司法省はすでに既存のコンピュータ犯罪法の下で最も有害なスパイウェアの作成者を投獄するのに十分な法的権限を与えられていると発言している。
Bonoが提出した「H.R. 2929」法案は、これまでSafeguard Against Privacy Invasions ActやSecurely Protect Yourself Against Cyber Trespass Actと呼ばれてきた。Spy Actは同法案の略称である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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