Apple Computerは米国時間23日、先ごろ欧州市場でサービスを開始した同社のiTunesミュージックストアが、第1週目だけで80万曲以上を売り上げたことを明らかにした。
iTunesがサービスを開始した2003年前半当時の米国市場に比べ、現在の欧州市場は一段と競争が激しいが、このニュースはAppleの音楽配信サービスが欧州で力強いスタートを切ったことを示すもの。同サービスは先週16日に、英、独、仏の3カ国で営業を開始していた。
Appleによると、欧州市場での売上の半分以上は英国からのもので、iTunesは同市場ですでに長い間活動しているライバル各社を追い抜いた。British Phonographic Instituteによると、英国のライバル各社は2004年の最初の5カ月間で、50万曲しか音楽を販売していないという。
Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobsは、「iTunesは欧州ナンバー1のオンラインミュージックストアだ。iTunesは先週、英国だけで45万曲以上を売り上げた。この数は最大のライバルであるOD2(On-Demand Distribution)の16倍にあたる」と声明のなかで述べている。
iTunesが欧州で幸先の良いスタートを切ったことで、欧州市場の進展も1年前の米国市場とよく似たものになるという見方もある。オンラインでの音楽販売は、CDの売上と比較すればまだ微々たるもので、利幅も大きくないが、Appleはこの市場で大きくリードを広げており、市場シェア首位を明け渡すような兆候は一切見られない。
先週報じられた別のニュースを考え合わせると、Jobsのコメントはことさら辛辣なものといえる。iTunesの英国での競合にあたるOD2は22日、Loudeyeという米国のデジタル音楽卸売企業に約3700万ドルで買収されてしまった。OD2は、ロックスターのPeter Gabrielなどが共同で1990年代に設立したものだった。
5月20日から英国で営業を開始しているNapsterの関係者にもコメントを求めようとしたが、すぐには連絡が取れなかった。
なお、ソニーのConnectを含むそのほかの大手サービスも、まもなく欧州市場に参入すると見られている。
国外市場への参入を進めるAppleの前には、主に楽曲のライセンス獲得にまつわる複雑な手続きなど、いまだにいくつかの障害が残っている。
iTunesは先週、Association of Independent Music(AIM)に所属するバンドの曲を欠いたまま、欧州でのサービスをスタートさせた。AIMは、Basement Jaxx、Franz Ferdinand、White Stripesなどの人気バンドが所属する800社ものレーベルが参加する団体。「レパートリーのライセンス供与に関して、条件が折り合わなかった」とAIMの幹部は説明している。
Appleのある関係者は、この問題に関して、同社には新たに発表すべきことは何もないとしている。
AIMによると、インディーズレーベルの市場は、英国における音楽売上全体のおよそ4分の1を占め、またプラチナディスクの3分の1近くはインディーズのアルバムだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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