レコード業界では現在CDの複製を防止する技術のテストが進んでいるが、、この著作権侵害防止策が導入されると、合法的に購入した音楽の利用に関して新たに大きな制限が課される可能性がある。
デジタル著作権管理(DRM)ソフトウェアの開発で競合するMacrovisionとSunnComm Internationalの両社によると、メジャーレーベル各社が検討中のこのツールは、普通のCDをバックアップできる回数に制限をかけ、記録型CDドライブを使って複製されたCDから、新たなコピーを作れないようにするものだという。
SunnCommは、BMG Music Groupがすでに同社の新しい「セキュアバーニング」技術のテスト版を試していることを明らかにした。BMGは世界第5位のレコードレーベルで、CDコピー防止技術の導入に関して、米国でこれまで最も積極的な姿勢を見せている。また、Macrovisionのソフトウェアのほうも、数カ月以内に準備が整うと見られている。
この新技術が幅広く実装された場合、一般リスナーが購入する楽曲の利用方法が大きく様変わりし、一部に顧客離れが起こる可能性がある、とアナリストらは述べている。しかし、著作権侵害の被害額が頭にあるレーベル各社は、適切な対処方法が見つかることに期待しつつ、こうした技術の導入を慎重に進めているところだ。
GartnerG2リサーチグループのアナリストMike McGuireは、「(DRMでは)特にCDの物理的な部分に関して、だれにも思いつかなかった落としどころがある。各所に配ろうと何枚もコピーを作成していて、それができないと分かっても不満を訴える人は非常に少ない。しかし、車の中で子どもに聴かせようとしてコピーできないことが分かれば、不良品として返品されるCDが山積みになる」と語った。
今回の試みは、レコードレーベル各社がCDのコピー制限強化に務める中で行われている。米国のCD市場全体では、2003年に112億ドルを超える売上を記録した。ただし、レーベル各社は、CDの小売販売の大幅な減少について、家庭での複製やオンラインでのファイル交換などが原因だとしている。
レコードレーベル各社は、無制限の複製を防止しつつ、一方でカーオーディオ用、別荘用、友人用など、消費者が一定数だけコピーを作成できようにする方法を探し求めている。既存のシステムでは、複製したCDをさらに何度でもコピーできてしまうため、市販のCD売上を大幅に減少させている、と各社は説明している。
一方で、消費者保護団体は、音楽CDの無制限な複/リミックス/サンプル作成など、現在許されている行為を制限する動きに抗議している。
これまで米国のレコードレーベル各社は、消費者のこのような懸念に敏感で、特にゲーム機やカーステレオなど、従来のCDプレイヤー以外での再生に問題があった初期のコピー防止技術については不安を抱えていた。各社とも国外市場ではコピー防止機能付きのCDを多数リリースしているが、しかし最も大きな抵抗が予想された米国や英国では、ほんのわずかな数のタイトルしかリリースしていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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