だれが、いつ電子メールを読んだかを通知してくれる新サービスが登場するが、これには簡単に排除されてしまう可能性もあるようだ。
Rampell SoftwareのDidTheyReadItというサービスは、送信する電子メールに密かに配達証明を添付することができ、そのメッセージが、いつ、何回、どこまで読まれたのかを通知してくれる。同サービスの正式な立ち上げは米国時間の24日に予定されているが、これを使えばメッセージが転送されたかどうか、そしてどの地域で読まれたのかまで追跡できる。
しかし、DidTheyReadItの基盤技術は目新しいものではなく、Postel Servicesなど、ほかに少なくとも2社の企業が、既に同様のサービスを提供している。これらは、ウェブバグとも呼ばれる極めて小さい画像タグをメッセージに埋め込むことで電子メールの状態を追跡する。そして、受信者が電子メールを開くと、画像に付随するコマンドが同社のサーバに返信され、このメッセージが開けられたことが送信者に通知される。
ウェブバグは、広告キャンペーンや電子メールプロモーションの監視目的で一般的に利用されており、スパマーは以前からこのタグを使い、受信者に知られることなく電子メールの利用状況を監視している。だが、この追跡技術が過去にプライバシーの問題を引き起こしたことがある。
その結果、AOLやMicrosoft Outlookなどでは、HTMLベースの電子メールに関して、デフォルトでウェブバグをブロックする機能を提供している。
著名なセキュリティ・プライバシーコンサルタントのRichard Smithは、「電子メールのウェブバグは消えつつある過去の技術だ」と述べている。
DidTheyReadItも、同様の仕組みによって妨害される可能性がある。
しかし、Rampell SoftwareのCEO(最高経営責任者)Alastair Rampellは、電子メールで業務を進めていながら、自分のメッセージがスパムとしてブロックされてしまったかどうか分からないユーザーには、同サービスが役立つと考えている。
「スパムのために、電子メールを(スパムとして)間違って識別し、削除してしまうことがある。これは多くの人々が注目する機能だ」(Rampell)
このサービスで送られるレポートには通常、Jenny Jonesといった受信者の名前、電子メールの件名、メッセージの送信日時、開封日時が記録されている。また、この受信者が電子メールを2分かけて3回読んだ、といった詳細も分かるようになる。同サービスの利用料は年間50ドルで、処理メッセージ数は1カ月750通までとなっている。
なお、MicrosoftのOutlookクライアントでも、ユーザーが送信したメッセージについての「着信確認」通知を受け取ることはできるが、そのメッセージがいつ、何度読まれたかといった詳細まではわからない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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