エキサイトは5月20日、同日より音楽配信サービスを開始すると発表した。サービス名は「Excite Music Store」で、同社の音楽情報サービス「エキサイトミュージック」からダウンロードできる。サービス当初の楽曲数は1100曲だが、6月に4万曲、年内に10万曲を目指す。
楽曲を提供するのは東芝EMI、コロムビアミュージックエンタテインメント、オレンジブルーの3社。今後はワーナーミュージック・ジャパン、BMGファンハウスなども参加する見通しだ。
エキサイト代表取締役社長の山村幸広氏 |
音楽ファイルの形式はWMA(Windows Media Audio)を採用した。「(ブロードバンドコンテンツ配信を行う)BB.exciteでコンテンツ配信の実績があり、一番安全に配信できる技術として選んだ」とエキサイト代表取締役社長の山村幸広氏は説明する。Windows搭載PCであれば特別なソフトウェアが不要な点も採用の理由という。ビットレートは128kbpsで、音質はMP3並みとのことだ。
楽曲の料金はシングルが150円から270円、アルバムが1500円から2500円程度。「他社のダウンロードサービスと同等の価格にした」(エキサイト エンタテインメント 事業部長の坂本孝治氏)
楽曲の購入にはエキサイトIDが必要。ただしBIGLOBE、DION、ODNの3社と提携し、各ISPのIDでも楽曲が購入できるようにする予定としている。
音楽配信サービスは米国でApple Computerが成功を収めたこともあり、国内でも多くの企業が参入を狙っている。しかしレコード会社が違法コピーなどを懸念して楽曲の提供に及び腰なため、参入企業が限られているのが現状だ。
今回、エキサイトが音楽配信サービスを実現できたことについて山村氏は、「BB.exciteでのライブ映像配信など、レコード会社との関係を築いてきたことが大きい」と話す。今後参入してくる他社との差別化についても、「エキサイトには、エキサイトミュージックで数年かけて集めた音楽好きのユーザーがいる。他社がいきなり配信サービスを始めても、人のいない田舎でレコードショップを開くようなものだ。配信サービスを使ってもらえるユーザーを抱えていることがエキサイトの優位性になる」と自信を見せた。
「エキサイトのポータルには毎週約600万人がアクセスする。そのうち10〜20%が配信サービスを利用するだろう」(山村氏)。今後はAppleが米Pepsiと共同で行ったキャンペーンのように、音楽配信を活用したタイアップ広告も進めるとしている。
ダウンロードした楽曲はCDにコピーすることはできない。ただしWindows Media Technology(WMT)のDRM(著作権保護技術)に対応したポータブルオーディオプレイヤーであれば、ファイルを転送することも可能という。この場合、1曲につき転送は3回までという制限がある。
エキサイトではクリエイティブメディアのNOMADシリーズを推奨ポータブルオーディオプレイヤーとしている。「WMTに対応していることと、今までの販売実績を考慮して決めた」(山村氏)。クリエイティブメディアと協力し、音楽編集ソフト「Creative MediaSource」から楽曲の購入やダウンロード、再生などが行えるようにする予定という。
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