先日RealNetworksはApple Computerに対して提携の申し入れを行ったが、これにより同社がかつて支配していた市場で孤立しかねないとの危機感を強めていることが浮き彫りとなった。
この数カ月間、RealNetworksのCEO(最高経営責任者)Rob GlaserはAppleに対し、人気の高いiPod音楽プレイヤーを競合音楽サービスに対して公開するよう何度も強く求めてきた。これには、今月はじめに同氏がAppleのCEO、Steve Jobsに送った私的な電子メールも含まれている。New York Times紙の報道によると、Glaserは後にリークされたこの電子メールのなかで、技術提携の申し入れが受け入れられなかった場合、同社はMicrosoft陣営に与することを強いられるかもしれないとほのめかしていたという。
RealNetworksの広報担当者は4月15日、Glaserが最近、Jobsと個人的にやりとりを行い、公の場でも述べたことがあるように、AppleにiPodをオープンにするよう求めたことを認めている。この広報担当者は、RealNetworksが報道された電子メールを見ておらず、その中身や、Microsoftとの取引締結を考慮する可能性に関するコメントはできないと述べた。またAppleの広報担当者はコメントを控えている。
MicrosoftとRealNetworksは何年もの間市場と法廷で戦ってきた関係で、1通の電子メールから導き出す推理は、すぐに取引が結ばれる前兆とはならないかもしれない。だが、ハイレベルなデジタルメディアパートナーを取り込もうというGlaserの取り組みは、AppleとMicrosoftの2社が大きな前進を遂げたことから、RealNetworksが深刻な危機に直面している事実を浮き彫りにしている。
昨年、多くのデジタル端末メーカーがMicrosoft技術のサポートを開始したが、RealNetworksもサポートしたメーカーはごくわずかだった。おそらくRealにとって、それにも増して不満の種となっているのは、MicrosoftがレコードレーベルからMajor League Baseball、Disney、Time Warnerに至るまで、大物のコンテンツ企業の支持を獲得していることだろう。この原因の一部は、MicrosoftがRealNetworksには真似できないコンテンツ保護技術を提供しているからだ。
「GlaserのJobsへのアプローチの詳細がどのようなものであるにせよ、RealNetworksのメディア部門と技術部門は、それぞれ自社より規模の大きな企業からの脅威に直面しており、同社は重要な交差点に差し掛かっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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