Yahooは米国時間26日、Kelkooという欧州の電子商取引プロバイダーを約5億7900万ドルで買収することに同意したと発表。同社はこれにより、世界的なショッピングサービスの拡大と、海外での新しい広告機会創出に乗り出すことになる。
パリを拠点とするKelkooは、オンラインでの比較ショッピングに特化したサービスを提供している。同社を買収することで、Yahooは世界で最も広範な電子商取引のネットワークを擁することになると、Yahooでは説明している。Kelkooは欧州最大のオンラインショッピングサービスで、1カ月平均3000万のユーザーが同社サイトを訪れている。同社は、およそ2500社の小売業者をネットワークし、書籍から電子機器まで各種商品の比較製品情報を提供している。
Yahooは、自社ウェブポータルでのマーケティングおよび広告関連の見通し拡大を目指して、一連の動きを進めているが、Kelkoo買収はこのなかで最新のものとなる。同社は、商用検索プロバイダーのOverture Services買収を通じて獲得した有料検索広告事業から、大きな利益を上げている。この事業では、Yahooはユーザーがスポンサーの広告をクリックした回数と、これらの広告の成約率に基づいた収益を上げている。Kelkooを利用する小売サイトも、同サービスから消費者がクリックして業者のウェブサイトを訪れると、同社に紹介料を支払う仕組みになっている。
さらにYahooは、今回の買収で、Froogleという独自の比較ショッピングサービスをテストしているGoogleに対する、自社の立場を強化する。
2004年の第2四半期に完了する見込みのこの買収では、Yahooが未公開会社のKelkooに現金を支払い、KelkooはYahooの完全子会社となる。
Kelkooは1999年に仏で設立され、後に英国、スペイン、ノルウェー、フランスの企業を吸収。同社は現在9カ国でサービスを展開している。Kelkooは、自社ブランドのサイトをまとめたネットワークに加え、他のショッピングネットワークや提携販売ネットワーク向けの技術も管理する。同社は2002年第4四半期から黒字を続けている。
Yahooの経営陣によると、同社は今回の買収によって、欧州のエンドユーザー、小売サイト、広告主の基盤を拡大し、またショッピング機能と有料検索結果の両方をサポートする新技術を獲得することになる。
さらにKelkooは、Shopping Popularityという独自アルゴリズムの検索技術もYahooに提供する。KelkooのCEO(最高経営責任者)、Pierre Chappazによると、Kelkooの製品検索技術とYahooのネットワーク/ウェブ検索技術の組み合わせは強力なパッケージを生み出すことになるという。
調査会社Jupiter Researchのアナリスト、Olivier Beauvillainはこの買収が、Yahooにとって大きな転機になると述べている。
「Kelkooの買収は、Yahooの他の動き--たとえばOvertureの買収などと一貫したもので、これはYahooがバナー広告などに頼った元々のメディアビジネスから遠ざかりつつあることを示している」とBeauvillainは述べ、さらに「Yahooはこれで、Googleと直接対抗する立場に立った。Yahooのポータルサイトでは、検索広告がGoogleと同じように販売されている。2〜3年後には、検索と比較ショッピングサービスがポータルのなかに組み込まれて、特に意識されない存在になるだろう」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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