ワシントン州レドモンド発--Microsoft会長のBill Gatesは、インターネット業界で現在「小規模なバブル状態」が見られるが、ただしこれが数年前のドットコム・バブルのレベルまで膨らむことにはならないだろうと語った。
「人々がインターネット関連企業に多大な評価額を期待しているという点では、ちょっとしたバブル期に戻ったといえる。だが、これらの企業に以前のような『出口』があるとは思えない」。Gatesは米国時間26日、今年で第5回目となる同社のオンライン広告カンファレンスの中で、参加者の質問に答えてそう語った。
同氏はさらに、Amazon、eBay、Yahoo、Interactive Corp.などの各社は今後も無くならないが、ただし各社の業務内容の境界線は徐々にあいまいになっていくだろうと付け加えた。
Gatesは、MicrosoftのMSNサービスが主催した同カンファレンスで、500人を越える広告業界幹部を前に、広告の未来に関する講演を行った。しかし同氏は講演のなかで、広告の話題にはあまり触れず、そのほとんどを未来の技術に対する自らのビジョンの説明に費やし、デジタル化した家庭や各種機器がネットワークに接続されるようになること、さらには「シームレスコンピューティング」の実現などの話題に終始した。
最近、BrightmailやShopping.comなど、いくつかのドットコム企業がIPOの申請を行っているが、Gatesのコメントはこうした動きに言及したもの。インターネット関連では、検索業界などで活動する小規模なIT企業も高値を呼んでいる。26日には、Yahooがヨーロッパの電子商取引プロバイダーであるKelkooを5億7500万ドルで買収すると発表し、またInfoSpaceはSwitchboardを1億6000万ドルで買収すると明らかにした。さらに、インターネット検索企業各社の株価は軒並み上場来最高値を更新している。
技術に言及したGatesは、PCプラットフォームとインターネットプロトコル(IP)が、モバイル機器やゲーム機、そしてリビングルームや自動車にまで浸透しつつあると述べた。「すべてがデジタル化されつつあるが、最も顕著な例は(コンテンツ)制作の現場で、そこではすべての作業がデジタル化されている」(Gates)
Gatesはこの考えからさらに議論を展開させ、デジタル形式でのビデオの流通(およびオンデマンド配信)が普及すれば、マーケティング担当者にとっては、対象とするオーディエンスに関連性のある広告を(コンテンツに)挿入することが容易になると述べた。また同氏は、MicrosoftがComcastなどのケーブルテレビ各社と進める、インタラクティブな番組ガイド開発の取り組みについても力説したが、これは視聴者の好みに合わせて内容が変わるものになるという。
「これが今後どのような展開を見せるのかは誰にも予想できないが、しかし我々はさまざまな実験が行えることにワクワクしている」とGatesは述べ、さらに関連性と対話性が今後の展開において重要な役割を果たすことになると付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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