人気の高いファイル交換ソフトウェア「Kazaa」のオリジナル版開発に携わったプログラマが、このプログラムの現在の所有者であるSharman Networksを相手取り、2500万ドルの支払いを求める訴訟を起こした。この人物は、いまでも同プログラムの著作権の一部が自分に帰属していると主張している。
Kazaaの元々の所有者を手伝って同プログラムを書いた、Fabian Toaderというルーマニア人のプログラム開発者は、裁判所へ提出した訴状のなかで、自分は同プログラムのコードに関する著作権引き渡し契約を結んではいないと主張。同氏は今月初めにロサンゼルス連邦裁判所で起こしたこの訴訟で、Sharmanに対し2500万ドルの支払いを求めている。
Kazaaを元々の所有者であるKazaa BVという欧州企業から買取ったSharmanは、Toaderの主張について何の根拠もないものと述べている。
「Kazaa Media Desktopソフトの初期バージョン開発に関わったFabian Toaderの仕事は、買取契約の合意のもとで行われたもので、その合意にはこのソフトウェア開発に関する全ての成果について、Kazaa BVが全ての権利を有すると明記されている」と、Sharmanは声明の中で説明している。
ToaderとSharmanは、このプログラムの権利に関して1年近くもめているが、これはSharmanにとってバツの悪い争いかもしれない。Sharmanは、複数のエンタテイメント企業から、インターネット上での大量の著作権侵害にKazaaが加担している責任を問われており、会社の方針や技術の詳細について、いつも異常なほどの秘密主義をとっている。
Marc FensterというToader側の弁護士の話では、Toaderは現在、Microsoftの従業員としてシアトル地域に居住しているが、同氏はまず昨年6月にSharmanに連絡を取り、Kazaaの作者としての著作権表示を求めたという。しかし最終的には、2万5000ユーロの金銭報酬を要求し、この要求が聞き入れられなければオリジナル版Kazaaのソースコードをインターネット上で公開すると脅迫したと、Sharmanは法廷へ提出した書類のなかで述べている。
Sharmanは、Toaderの主張に対抗してワシントン州の裁判所に訴えを起こし、同裁判所の判事はToaderにコードの公開を禁止する差し止め命令を出した。これに対して、Toaderがワシントンの連邦裁判所に訴えを起こすと、同裁判所の判事は、州の裁判所による差し止め命令を一時停止し、ToaderにはKazaaのソースコードのコピーを全て引渡すよう命じ、この著作権訴訟の係争中はソースコードを裁判所で預かることにした。
シアトルでの訴えを取り下げたToaderは、その後3月4日(米国時間)にロサンゼルスで再び提訴したが、訴えの内容はほとんど変わらない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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