投資会社BayStar Capitalは米国時間11日、同社からSCO Groupへの5000万ドルの投資には、Microsoftからの紹介者が関与していたと述べ、Linuxのライバル2社の間につながりがあることを認めた。
「確かに、MicrosoftはBayStarをSCOに紹介した」とあるBayStar関係者は11日に述べたが、それ以上の詳細についてはコメントを控え、またMicrosoftが実際に投資はしていないという同社の当初の説明を繰り返した。
オープンソース提唱者のEric Raymondは先週、BayStarの投資にMicrosoftが力添えしたことを示す流出メモを公開したことから、Microsoftが両社の取引を仲介したとの憶測が表面化した。SCO Groupは、このメモが本物であると認めはしたものの、このメモを記したS2 Strategic ConsultingのMike Andererという人物は状況を誤解していたと釈明。一方オープンソースのファンらは、このメモについて、SCOによるLinux攻撃をMicrosoftが支援していたことを示す証拠だと主張している。
LinuxはMicrosoftのビジネスを脅かしている。Windowsの成長がLinuxに妨げられているのは、主にサーバと呼ばれるハイエンドコンピュータの分野だが、Microsoftの砦であるデスクトップ分野や、同社が事業拡大を狙っている電子発券機などの「組み込み型」コンピューティング機器分野などにもLinuxの影響が及んでいる。
SCOは、Linuxオペレーティングシステム(OS)が同社の所有するUnixの知的所有権を侵害しているとし、Linuxを利用する企業は自社に対して使用料を支払うべきだと主張している。だが、Linux推進派らはこの主張に猛烈に反発している。SCOは自社の要求を通すため、David Boiesという有名な弁護士を雇い、AutoZoneやDaimlerChrysler、Novell、IBMなどの各社を提訴している。また同社は以前、Bank of Americaへの訴訟も準備していた。
MicrosoftがBayStarとSCOの取引を仲介したという話は、Microsoftにはあまり有り難いことではない、とIlluminataのアナリスト、Gordon Haffは指摘する。
「Microsoftの幹部レベルの人間がSCOを操っていたことを示す決定的証拠はない。しかしながら、MicrosoftがSCOの資金調達にやや見苦しい形で関わっていたという証拠は現に存在する」とHaffは述べ、さらに「Microsoftは市場の独占をねらう確信犯であり、さらにSCOの金銭面やその他の活動がますます怪しげに見えてきていることから、MicrosoftではSCOとの関わりについてほんの僅かな痕跡でもきちんと消えているかどうか、さぞ気にかけていることだろう」と付け加えた。
あるMicrosoft関係者は11日、「MicrosoftとBayStarとの間には、直接的にも間接的にも、一切の金銭的な関係はない」という同社の先週の発言を繰り返した。この関係者は紹介者が出てきた理由や、同社がこの件を調査中であるかどうかについては、コメントを差し控えた。
また、SCOの広報担当者Blake Stowellもコメントを控えている。
SCOの訴訟は安上がりなものではない。同社は前四半期に、訴訟費用と、Linux利用料で利益を得るためのSCOsourceの取り組みに関して340万ドルを費やしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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