記事配信用フォーマット「RSS」の主要な提案者が、Googleの支持を得るために、RSSとAtomという競合し合う両フォーマットの統合を、ネットの標準化団体の支援の下で行うよう提案している。
ハーバード大学ロースクールのBerkman Center for Internet & Societyの研究員で、一般にRSS(Really Simple Syndication)フォーマットの元締めと考えられているDave Winerは、自らのウェブログ上で、RSSと、昨夏に登場したAtomという競合フォーマットとの統合は可能との提案を行った。
「今こそ我々の立場の相違に目をつぶり、協力し合う時だ」とWinerは記し、さらに「GoogleにRSSフィードの提供を開始してもらいたいし、Six Apartにも(同社のブログ作成ツールである)Moveable TypeでRSSフィードを提供してもらいたいと考えている。これこそまさに私が望んでいることであり...これは決してプロセスなどについての話ではない」と付け加えている。
GoogleのBlogger部門が先月、Atomを利用したシンジケートをサポートすると発表したことで、Atomは一気に立場を強め、逆にRSSは大きな痛手を蒙った。
RSSとAtomの2つのシンジケート用フォーマットは基本的に同じことを行う。すなわち、これらの配信フォーマットを利用することで、ウェブログやニュースなどのウェブコンテンツの発行者が別のサイトへフィードを提供できるようにするものだ。RSSは多くの支持者を抱え、その中にはApple ComputerやNews.comの発行元であるCNET Networksも含まれている。一方、GoogleとSix ApartはAtomを支持している。
各々のフォーマットの支持者によると、二つのフォーマットの統合は決して困難ではないという。WinerをはじめとするRSS支持者たちにとっては、まずRSSフィードと下位互換性のある新たなフォーマットを作成することが先決だ。
両フォーマットの統合作業は、標準化団体のInternet Engineering Task Force(IETF)の中で行われることになりそうだ。Atom支持者たちは、今年8月に米国のサンディエゴで開かれる同団体の会合で、作業グループが設置されることを期待している。
IBMのソフトウェア開発エンジニアで、Atomフォーマットの開発者であるSam Rubyも、この提案を受け入れる模様だ。Rubyは、RSSが事実上Winerの管理下にあるとして、多くの人々とともにこの状態を批判し、昨年夏にRSSに代わる新しいフォーマットとしてAtomを発表した。
Rubyは「(統合作業が)IETFの下で行われるのであれば何も問題はない」と述べ、さらに「IETFには、あらゆる種類の個人間の言い争いを納めてきた実績がある。今後はIETFを通じて(統合)作業を進めていくことになるだろう」と語った。
すでに一部のウェブサイトではシンジケート用フォーマットについて、一方に偏らないアプローチを採っている。たとえばYahooでは、ユーザー向けのMy Yahooのニュース配信用に、RSSとAtomの両方のフィードを使えるようにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス