今回の米大統領予備選「スーパー・チューズデー」では、電子投票システムが初めて大々的に試用された。民主党の大統領指名選挙では、有権者が従来の投票用紙やパンチカードではなく、コンピュータ化された投票装置を使って候補者を選んだ。
ニューヨーク、カリフォルニア、マサチューセッツ、オハイオを含む9州の代議員を決める選挙では、これまでに単発的な問題がいくつか報告されているだけだ。
カリフォルニア州の選挙管理部門のある関係者は、サンディエゴで初めて導入されたタッチスクリーン式の投票装置に、若干の不具合があったと述べた。州政府の発表によると、電力が安定していなかったこととヒューマンエラーが原因で、20%近い投票装置がうまく起動しなかったという。
この投票装置を納入したのはDieboldというメーカーだが、同社広報担当のDavid Bearは、この問題が同社のAccuVote TSxという新しい装置に影響を与えたことを認めたものの、「一部の地域で投票に遅れが出ただけで、有権者が投票できなくなったわけではない」と語った。同氏によると、サンディエゴとオークランドの投票所に設置された装置では、電力が不足していたことから、想定と異なる画面が立ち上がってしまい、選挙委員会の係員を混乱させたという。
他の各州は、大きな問題なしに投票が終了すると予想していると語った。
「メリーランド州では投票装置にはまったく問題がなかった。何かあったら、直ちに問題を把握できる体制をとっていた」と、同州の選挙管理人、Linda Lamoneは米国時間2日に行われたインタビューのなかで述べている。
24の郡があるメリーランド州では、1つの郡を除き、2002年の州知事選ですでに実証済みのDiebold社製投票装置が使用された。昨年、Diebold社製装置のソースコードの一部がインターネットに流出するという事件が発生した際に、メリーランド在住のAvi Rubinを含む何人かのコンピュータ科学者は、この装置で使われているソフトウェアを解析し、「セキュリティは、ほかの状況で最低限とされるレベルにさえ達していない」と結論づけた報告書を発表していた。
選挙管理人のLamoneは、セキュリティ侵犯については懸念していないと述べた。「我々が導入しているさまざまなプロセスや手続きで、これまで指摘されてきたリスクに十分対応できると考えている。さらに、Dieboldの装置は再プログラムされ、特定されたセキュリティ要件を満たしている。また、有権者はこの方式を大いに気に入っている確かにセキュリティは我々にとって重大な問題だが、電子投票がもたらす利点と比較して判断する必要がある」(Lamone)
Dieboldの投票装置に対する懸念に応え、メリーランド州選挙管理委員会は昨年9月に発表した書簡のなかで、「代替システムの実装は2004年3月の大統領予備選には間に合わず、11月の大統領選も危うくする」と述べていた。
オハイオ州でも、問題は報告されていない。同州広報担当のCarlo LoParoによれば、同州では88の郡のうち、6つの郡が電子投票装置を利用したという。
この記事は海外CNET Networks発の ニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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