W3C(World Wide Web Consortium)は米国時間10日に、RDF(Resource Definition Framework)とOWL(Web Ontology Language)に関する勧告を発表する。この2つは同団体の取り組むセマンティックウェブ・プロジェクトの重要な部分となっている。
セマンティックウェブ・プロジェクトは、かつて批判者の間で論争を巻き起こしたことがある。同プロジェクトに批判的な立場を取る者たちは、これを失敗に終わった人工知能スキームになぞらえ、ウェブサービステクノロジーのような、より差し迫った商用プロジェクトに向けられるべきW3Cのリソースが無駄に使われてしまうのではないかとの懸念を表明している。
ここ数年、W3Cはウェブサービスに関する取組みをさらに強化しており、今回発表となる勧告は、セマンティックウェブの批判者に向けた直接的な回答のように見える。W3Cは同プロジェクトを「ウェブでデータを共有するための商業レベルのインフラ」と呼んでいる。
「セマンティックウェブは、もはや研究プロジェクトではない。2つの基盤となるテクノロジーが標準になりつつあり、企業レベルでRDFやOWLを実装している業界大手のお墨付きを得ることで、本格的に始動する準備が整った」と、W3CのJanet Dalyはインタビューのなかで語った。
OWLは、コンテンツの詳細を記述するもので、コンピュータにコンテンツの相互関係を「理解」させることに役立てる。
同テクノロジーの実装例としては、国立癌研究所(National Cancer Institute)が作成した腫瘍学に関する類語辞書があげられる。
これに対し、RDFは、もっと簡単な内容の宣言方法を標準化するもので、たとえばウェブページの作成者、作成・公開期日、可能な利用方法や、複製の可・不可など、さまざまな特徴を定義するのに使われる。
Creative Commonsは、コンピュータで読取り可能なライセンス条件の設定に、このRDFを利用している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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