豪のMusic Industry Piracy Investigations(MIPI)は、PtoPネットワーク運営企業を相手に著作権侵害訴訟を開始したばかりだが、これに関連して9日にSharman Networksに対する訴状を、同社の本拠地があるヴァヌアツで正式に提出した。
MIPIは6日(現地時間)、著作権侵害の証拠獲得のために、合わせて12箇所の家宅捜索命令を裁判所から取り付けた。この捜索のターゲットの1つは、人気PtoPソフトウェアのKazaaを提供するSharman Networksだ。同社の登記住所はヴァヌアツとなっている。
MIPIマネジャーのMichael SpeckはZDNet Australiaに対して、「形式上、相手の企業が登記されている場所でも、訴状を提出することになっている」と語った。Sharman Networksは、税金対策のために法人登記をヴァヌアツで行っている。
MIPIは同社の他にも、PtoP技術企業のAltnetの親会社であるBrilliant Digital Entertainment(BDE)も捜索の対象とした。同社はSharman Networksと提携し、Kazaaネットワーク上での合法的なコンテンツ配信を目指しており、今回のMIPIの動きについて「皮肉なものだ」と述べている。
「音楽業界が、オンラインでの違法コピー配信に対する攻撃で、Brilliant Digital Entertainmentをターゲットにするのは皮肉なことだ。BDEの子会社Altnetの事業と技術は、明らかに合法的なオンラインコンテンツの配信を行うために設計されたものだ」と、Altnetは声明のなかで述べている。
「Altnetは、主なインディレーベルやビデオゲームメーカー、ソフトウェア会社や映画会社が、最大規模のインターネットユーザーに対して、自社のデジタルメディアをほぼ配信コストゼロで安全に販売できるよう、彼らの代わりに取り組んでいる。Altnetはライセンスを取得したデジタルメディアを配信する世界最大の企業だ」(Altnet)
今回の攻撃にも関わらず、Altnetはいまだに大手レコードレーベルと提携して音楽コンテンツをPtoPネットワーク経由で配信することに興味を示している。同社は声明のなかで「Altnetは引き続き、PtoPの商業化にコミットしており、大手レコードレーベルや映画会社各社に門戸を開いている」と述べた。MIPIは、豪州の主要レコードレーベルを代表する業界団体だ。
先週の一連の家宅捜索で、MIPIはSharman NetworksとBDEのオフィス、両社の経営幹部の自宅、3つの大学(クイーンズランド大学、モナッシュ大学、ニューサウスウェールズ大学)、ISP4社を捜索し、PtoP企業と関係した著作権侵害行為の証拠を探し回った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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